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見てのとおりビッグコミックオリジナルの次号広告じゃな。
10年以上前の雑誌なのに、いまだに半分くらい連載中というのも凄い物があるな。
……
いや、そんなことは、今回関係ない。
注目すべきは赤枠の中。
説明の前に、これが何年発行のものかわかるものおるか?
ちゃんと勉強していて、ちょっと勘のよいものならすぐにわかるじゃろう。
ほれ、そこのお前さん!
……
ああ、もういい。遅いのぉ。お前さんの頭が思いつくのを待っとったら、 講義が終わってしまうわな。
これは、1988年の最終号じゃな。
ん? そこ、質問か。
……
うんうん。それをこれから説明しよう。
まず、これは新連載の宣伝ということじゃ。
それは、「ショート・ファンタジーの新シリーズ」というキャプションからわかるわな。
次に、ちょっと小さくて見えんだろうが、あらすじが書いてある。
ここには、「某メーカーで幽霊騒ぎがあり、それを解決するために総務部が……」というもの。
そう。『小さく美しい神』と同じだということがわかるわけじゃ。
題名に関しては、現在の『小さく美しい神』の方が断然よいと言えるわな。
題名だけではどういう話なのか想像をかきたてられるし、作中にも台詞としてこの題名が現れるからな。
それに引き替え、もともとの『寒い国から来た幽霊』では、それだけで内容がイメージされてしまうし、なにより、単なる語路合せのつまらない題名と言わざるを得んわな。
もちろん元ネタはわかるな? 『寒い国から帰って来たスパイ』じゃ。で、作者は? ……それくらい常識じゃろう。ジョン・ル・カレだ。『死者にかかってきた電話』や『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』などで有名なスパイ小説の巨匠じゃな。
……
話が逸れたわい。
さて、今回の本題は、そんな瑣末なことではない。
赤枠の中、お前さんたちが見慣れた文字がないじゃろう。
……
その通り。『アフター0』の題名がどこにも見当たらんのじゃ。
掲載前号にもかかわらず、じゃぞ。
まさか、題名なしでシリーズ連載しようなどと思うわけもないだろうから、 おそらく直前まで決まってなかったんじゃろうな。
まあ、その甲斐あってか、『アフター0』という意味深長な、作品全体のイメージを感じさせる題名がついたわけじゃ。
しかし、この次号広告の問題はそれだけではない。
ここに描かれたイラストが全く出所不明ということじゃ。
『小さく美しい神』には、こんな場面は出てこないし、確認済みの『アフター0』以前の4作品にも見られない。
いったい、このイラストはなんなのか?
プレ『アフター0』作品は他にもあるのか? そこでのイラストなのか?
ワシも調査中じゃが、もし何かわかったものがおったら、すぐに報せるように。単位はやるぞい。
では、本講義はここまで。
※月刊まんがの森57号のインタビューから推測すると、どうやら未発表の作品らしい。
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