ロバート・ブロックRobert Bloch


別名:コリア・ヤング〈Collier Young


『トッド調書』THE TODD DOSSIER〈早川書房HPB1134

 コリア・ヤング名義

 訳:皆藤幸蔵/カバー:勝呂 忠/発行:1971115

いかなる権勢をもってもいかんともしがたいもの――死が世界有数の富豪ホリス・トッドの心臓を蝕んでいた。1012日、トッドの容態は急に悪化した。以前から予定されていた心臓移植手術は一刻をあらそうようになった。トッド財団の息のかかったロサンゼルス綜合病院に問い合せが飛んだ。トッドの血液型はひじょうにまれなABRHマイナスだったが、たまたま同じ血液型の婦人が危篤状態にあるという。急遽特別機が用意され、数年前から彼の伴侶になったベイリエ夫人、家庭医のマントル、秘書のマッカレンが同乗して、ロサンゼルスに向うことになった。が、その直前、婦人の家族が宗教上の理由から心臓提供を断ったという連絡があった。望みは絶たれたかにみえた。だがトッドは最後の運をかけ、ロサンゼルス行きを敢行した。数日後、新聞はトッドとかつてのオリンピックの英雄ボランスキーの心臓交換の成功を大々的に取上げた。くしくも、トッドの飛行機がニューヨークを発ったその日、脊髄萎縮症にかかっていたボランスキーは交通事故で一命をおとしたのだ。だが、このみごとな符合に、手術チームのエペレット博士は次第にある疑念を強めるようになった!――医学が生命を蘇らすまでに発達した現代、そこに新たな犯罪の可能性はないか? わが国でも問題になった心臓移植を正面から扱う医学ミステリの傑作!

 

『アメリカン・ゴシック』AMERICAN GOTHIC〈早川書房〉

 訳:仁賀克雄/カバー:野中 昇/発行:1979630

黒いドアを開け、燭台をかかげると、クリスタルは中を覗きこんだ。棚の奥行きは深く、そこには鐘状のガラス容器、ガラスの円筒が置かれており、透明な液体で充たされ、中に赤い丸いものが浮んでいる。どろどろしたかたまりで、層を成し、微光の中をゆっくり回転している。それがジュヌヴィエーヴやアリスのものであることは、訊かずと知れたことだった。その時、背後のドアが開き、クリスタルが振り返ると、そこには彼女たちの心臓を奪った男がいた! 1893年シカゴ万国博覧会は華やかにその幕を開けた。電気、マジック――興奮で湧き返る新世界出現の渦中、一つの奇怪な城が目抜き通りに建てられた。そこに住むのは、電気霊薬と称する怪しげな薬を売る医師、G・ゴードン・グレッグ。妻が死ぬたびにその遺産を引き継いでいく彼の挙動に不審の念を抱いた女性記者クリスタルは、恋人の制止もきかず単身グレッグの城に乗りこむが……! パルプ・マガジン全盛時代から、恐怖小説の代表的作家として活躍してきたロバート・ブロックが、アメリカの希代の殺人鬼HH・ホームズをモデルに描く、現代の青髭譚!

 

『都市国家ハリウッド』SNEAK PREVIEW〈ハヤカワSF446

 訳:遠藤笙郎/カバー:戸田勇介/発行:1981915

原水爆大戦による放射能汚染と疫病が、地球を荒廃に導いた。その恐慌と危機の中でアメリカ合衆国もまた崩壊し、かろうじて生き残った人々は、死の灰や疫病から身を守るためドームを建設した。今やアメリカに残された安息の地は、ドームに包まれたハリウッドだけとなったのである。やがて人々は心理学者たちの指導のもと、戦争も暴力も苦悩も存在しないユートピアをつくりあげた。この愛と平和と自由を謳う都市国家ハリウッド――だがその繁栄の裏では恐るべき陰謀がはぐくまれていたのだ! 奇才ロバート・ブロックが、奔放な想像力と辛辣な筆致で描き出した戦慄の未来!

 

『トワイライトゾーン』TWILIGHT ZONE〈角川文庫591-1

 訳:安達昭雄/カバー:スチル(映画『トワイライトゾーン』)/発行:19831225

トワイライトゾーンとは、次元を超えた別世界。ふとしたことから、この別世界をのぞき見た4人の運命は?
1ビル ある夜バーを出たビルは、まったく見知らぬ街角に立っていた。やがて彼に近づいてくる2人の男、それはナチの制服を着た将校だった……
2ブルーム 老人ホームを訪れた男、ブルーム。彼に誘われ月光の庭園に出た老人たちに不思議な変化が……
3ヘレン旅の途中で知りあった少年の家に招かれたヘレン。その館で彼女が体験する恐怖の一夜とは? 
4ヴァランタイン 嵐の中を飛ぶジェット機の翼に奇怪な生き物が…エンジンを食いちぎる銀色の怪物、それはヴァランタインの幻覚か、それとも…。『サイコ』の鬼才が描く傑作ホラー!

 

『アーカム計画』STRANGE EONS〈創元推理文庫F53102

 訳:大瀧啓祐/カバー:米田仁士/発行:19881118

「『ピックマンのモデル』だ」蒐集家のキースが骨董屋で手に入れた食屍鬼の絵を見るなり、友人は言った。絵の片隅に署名がある。R・アプトン・ピックマン。ラヴクラフトの小説に登場する画家の名だ。これは実物なのだ! そう主張する友人とともにキースは、事情を調べに骨董屋に赴いた。だがひと足おそく、店主は何ものかに頭を喰いちぎられて死んでいた。友人が呟く。「『潜み棲む恐怖』だよ」……そのころ南太平洋の一郭で、大いなるクトゥルーが蠢動を始めていた。世界に、永遠の治世をもたらすために!  


『気ちがい』PSYCHOHPB559

 訳:福島正実/カバー:?/発行:?

雨が小止みなく降り続いていた。夕闇の、寂びれた旧道ぞいのモーテルへ、若い女が自動車を乗り入れた。女の眼には、何かに脅えた不安の影がちらついていた。その女――メアリ・クレインは、勤め先の金を拐帯して、フェアヴェイルに住む恋人のもとに逃げる途中だったのだ。だが、モーテルの主人、ノーマン・ベイツにやさしく迎えられると、不安も薄らぎ、すすめられるままに、夕食を共にした。ノーマンはいまも独身をつづけている中年男。母親が、若い女を毛嫌いして、寄せつけなかったからだ。話を聞きながら、歯がゆくなったメアリは、母親を病院に入れてはどうかとすすめた。と、ノーマンは激しく否定したのだ。「母は気ちがいじゃない!」しかし――その夜、彼女の浴室に忍びこんだのは、鋭く光る内切りナイフをふりかざし、鉛色の白粉を塗った老女だった。そして、メアリが悲鳴をあげるより早く、肉切りナイフは彼女の首を切り裂いたのだ! その一週間後、フェアヴェイルにいるメアリの恋人を訪れたのは、彼女の妹と保険会社の私立探偵だった。……幻想・恐怖小説家ブロックが放つ現代恐怖小説の傑作。ヒッチコック映画化原作!*読者への警告!夜、この本を読むことは奨められない。一人のときはとくに。まして夜中には!

 

『サイコ』PSYCHO〈ハヤカワNV284

 訳:福島正実/カバー:スチル(映画『サイコ』)/発行:1982531

湯煙りで曇ったシャワー室のカーテンが開いた。覗いたのは狂った老女の顔。メアリは悲鳴をあげた。その首を肉切りナイフが一瞬にして切り裂いていた……。貧しい婚約者サムのために大金を盗んだメアリは、サムの住む田舎町のはずれの古びたモーテルに投宿した。温厚そうな主人ベイツの異常な性癖、そしてモーテルに巣食う殺人鬼の存在など知る由もなかったのだ。やがて、メアリの行方をその妹ライラとサムが探し始めた時、モーテルは再び惨劇の場と化していく……。名匠ヒッチコックが映画化した不朽のモダン・ホラー!(『気ちがい』改題)

 

『サイコ』PSYCHO〈創元推理文庫531-04

 訳:夏来健次/カバー:岩郷重力/発行:1999521

シャワーカーテンの隙間からのぞく仮面のような顔。ぎらつく二つの目、真っ白な粉がまぶされ、左右の頬骨のところだけ毒々しく紅の塗られた肌。仮面であるはずもない、これは狂った老女の顔だ。カーテンが引きあけられ、こんどは手が現れる。メアリは悲鳴をあげはじめた。が、その声は切り裂かれる……その手に握りしめられた肉切り包丁の一閃で!雨の夜、片田舎のさびれたモーテルでなにが起きたのか? 大金とともに失踪した婚約者を探すサムが見いだした、あまりにも恐ろしい真実とは? ヒッチコックが映画化した不朽の名作が、ふたたび世界を震撼させる! 今ここによみがえるサイコスリラーの原点。新訳決定版!

 

『サイコ2』PSYCHO 2〈創元推理文庫531-01

 訳:大瀧啓裕/カバー:スチル(映画『サイコ2』)/発行:198392

あれはもうずいぶん昔のことだ。あの女も探偵も死んでしまったし、モーテルも焼け落ちてしまった。そしていまは、自分がノーマン・ベイツであって母親ではないことも知っている。ここ州立病院の図書室の管理を任されるほどなのだ。そう、もう狂ってはいない。狂ってはいないのだ……。今日は、博愛女子修道会のシスターが話をしにきた。外は嵐だ。そろそろ帰るといって立ちあがった彼女の後から手を……。ヒッチコックの映画であまりに有名な不朽の名作「サイコ」。だが事件は終わってはいなかった。二十年の歳月を経て、いま再び恐怖は甦る!

 

『サイコハウス』PSYCHO HOUSE〈創元推理文庫531-03

 訳:大島 豊/カバー:吉田利一/発行:1992626

懐中電灯の光に、大きな黒い影が浮かびあがった。少女がカウンターの上のボタンを押すと、影は向きを変えた。「ベイツ・モーテルへいらっしゃいませ」連れの少女が息を呑む。それは、ノーマン・ベイツの仕掛け人形だった。――あの事件は、もう三十年以上も昔のこと。そしていま、モーテルと屋敷は名所として復元され、母親は地下倉庫で、被害者の女性はバス・タブのなかで観光客を待っている。もちろん、どちらも人形だ。だがオープニングをひかえた〈サイコ〉の館に、こっそり忍びこんだ少女たちを待っていたのは、人形だけではなかった!


短篇集


『血は冷たく流れる』BLOOD RUNS COLD〈早川書房 異色作家短編集8

 訳:小笠原豊樹/カバー:石川絢士/発行:2006315

逃げ場所はない! 恐怖を生み出す源は人の心にあるのだから(帯)

 収録作品

 

『楽しい悪夢』PLEASANT DREAMS〈ハヤカワNV95

 訳:仁賀克雄・他/カバー:真鍋 博/発行:1975531

弱冠17歳で幻想・怪奇小説の専門誌《ウィアード・テールズ》にデビューし、『サイコ』『血は冷たく流れる』などで恐怖小説家としての名を不動のものにしたロバート・プロッグの代表的短篇集。アクの強い残酷さで異様なあと味を残し、読者に強烈な刺激を与えるモダン・ホラーの第一人者が贈る現代の悪夢の数々。人肉を嗜好する無気味なものにとり憑かれた男の話「頭上の侏儒」をはじめ「魔女の猫」「子供にはお菓子を」「飢える家」「その名に恥じぬ霊」など傑作12篇を収録!

 収録作品

訳:稲葉明雄

『恐怖通信U』にも所収(「キャンディにはキャンディを」訳:松本秀子)

訳:仁賀克雄

訳:稲葉明雄

訳:仁賀克雄

『ミステリマガジン174号』掲載(イラスト:楢 喜八)

訳:仁賀克雄

訳:仁賀克雄

『猫に関する恐怖小説』所収

『怪奇と幻想1』所収(「猫の影」訳:各務三郎)

『恐怖と怪奇 6巻』所収(「猫の影」訳:矢野浩三郎)

訳:宇野利泰

訳:仁賀克雄

訳:仁賀克雄

『ミステリマガジン214号』掲載(「飢えた家」イラスト:楢 喜八)

訳:仁賀克雄

訳:仁賀克雄

訳:都筑道夫

『日本版EQMM40号』掲載(イラスト:真鍋 博)

『ミステリマガジン400号』再掲載(イラスト:つのださとし)

 

『切り裂きジャックあなたの友』YOURS TRULY , JACK THE RIPPER〈ハヤカワNV205

 編訳:仁賀克雄/カバー:真鍋 博/発行:1979531

切り裂きジャックは今なお生きている――母親を惨殺された強卿がつきとめたのは、意外な事実だった。ジャックは殺人の代償に永遠の若さを得て、シカゴに隠れ住んでいたのだ。復讐に燃え、ガイ卿は彼を追うが、行く手には血も凍る恐怖が待ち受けていた……。19世紀ロンドンを震え上がらせた殺人鬼をモデルに描く表題作をはじめ、黒ミサものの傑作として名高い「呪いの蝋人形」など、恐怖小説の第一人者が贈る傑作13篇。

 収録作品

『ミステリマガジン229号』掲載(「生命の問題」イラスト:楢 喜八)

『奇想天外4号』掲載(イラスト:西川おさむ)

『ミステリマガジン224号』掲載(イラスト:楢 喜八)

『ミステリマガジン244号』掲載(イラスト:楢 喜八)

『心理サスペンス』所収(「スカラブの呪い」訳:青木日出夫)

『ミステリマガジン169号』掲載(イラスト:楢 喜八)

『ウィアード4』所収(「僧院での饗宴」訳:大瀧啓裕)

『ミステリマガジン266号』掲載(イラスト:浅賀行雄)

 

『暗黒界の悪霊』The Dark Demon〈朝日ソノラマ文庫海外シリーズ15

 訳:柿沼瑛子/カバー:生ョ範義/発行:1985531

『私は自称、怪奇小説作家である。ごく幼い頃から、末知なるものや理解の及ばぬ出来事の不可解な魅力に惹きつけられてきた。名状し難い恐怖、奇怪な夢、人の心に憑りついてやまぬ半ば霊感に根ざした幻想、そういったものすべてが、私に不思議な歓ぴと生きる力を与えてくれた』……本書収録作品のこの一節が、後に『ウイアード・テールズ』の代表的作家となったブロックの心情を如実に語る。ラヴクラフトの影響のもと、怪奇小説家への道をひた歩む、若きブロックの軌跡を伝える初期短編集!

『クトゥルー 7』にも所収(「星から訪れたもの」訳:大瀧啓裕)

『クトゥルーX 異次元の影』にも所収(「奇形」訳:三宅初枝)

『クトゥルー 4』にも所収(「奇形」訳:三宅初枝)

『日本版EQMM40号』掲載(「瘤」訳:久慈波之介/イラスト:真鍋 博)

『クトゥルー 9』にも所収(「セベクの秘密」訳:岩村光博)

『クトゥルーW 邪神の復活』にも所収(「闇の魔神」訳:植木和美)

『クトゥルー 5』にも所収(「闇の魔神」訳:植木和美)

『クトゥルーW 邪神の復活』にも所収(「無貌の神」訳:森川弘子)

『クトゥルー 5』にも所収(「無貌の神」訳:森川弘子)

 

『殺しのグルメ』Out of the Mouth of Graves〈徳間文庫フ6-1

 訳:仁賀克雄/カバー:丸山浩伸/発行:1989515

血のしたたる殺人科理を十六種類とり揃えました。生のまま、生焼けのレア、それともよく火の通ったウェルダンがお好みですか。味つけも父殺し、母殺し、夫殺し、兄弟殺し、幼児殺しと多種多彩、殺しの万華鏡の観があります。ホラーの名シェフ、ロバート・ブロックが腕をふるった恐怖メニューをじっくりと愉しんでくだざい。見せかけの高級科理はありませんが、きっとご満足いただけると思います。

『奇想天外10号』掲載(訳:秋津宏之/イラスト:皆川幸耀)

『日本版EQMM47号』掲載(訳:田中融二/イラスト:野口久光)

『幻想と怪奇A』所収(「ルーシーがいるから」訳:各務三郎)

『世界ショートショート傑作選1』