長篇
『ブロントメク!』BRONTOMEK !〈サンリオSF45−A〉
訳:遠山峻征/カバー:加藤直之/発行:1980年8月5日
惑星アルカディアをまわる6つの月が52年に一度そろって空にかかるとき、高潮にのって何兆というプランクトンの群れが海面にかたつむりの足跡のように帯状に輝いた。このマインドと呼ばれるプランクトンと巨頭鯨は奇妙な共生関係にあった。マインドは密集することによって人間のテレパシー能力を培幅させるリレー効果をもっていた。人々は催眠術にかかったように次々と海に入り、やがて黒いひれの群れと一つになって血の海に呑みこまれていく。子供を守ってくれるお返しにマインドは餌を提供するのだ。こうして過去2年のうちに全人口の30%は他の惑星に移住し、経済は崩壊に瀕していた。そんなとき銀可系をまたにかける巨大企業ヘザリントン機関が経済復興の援助を申し出てきた。アルカディアの議会はそれを受けた。やがて移民として無定形生物と巨大なトラック、ブロントメクの群れが、送りこまれてきた……英国SF作家協会賞に輝くコニイの本邦初紹介長篇。
『ハローサマー、グッドバイ』HELLO SUMMER, GOODBYE〈サンリオSF45−B〉
訳:千葉 薫/カバー:小松原 英/発行:1980年9月5日
極寒の惑星に住むアンドロイドたち――ドローヴは両親と体暇を過ごそうとパラークシにやってきた。父はそこの罐詰工場の顧間をしている役人で、仕事がらみの休日だったのだ。そこで小型スキマーを買ってもらったドローヴは、前から恋心を抱いていた少女ブラウンアイズを含めた子供たち4人で血のように赤い海に出発した。餌食とみるときらめく青い腕を広げて水中に引きずり込んで結晶化するアイス・デビル、たちまち死体を食いつくす鳥グルーム・ライダー、おとなしい絹の毛皮をもつロリンたちに遭遇しながらも次々と不思議な事が起きる。政府は敵国アスタと戦争をしていたが戦いはどこにも見られなかった。立入禁止の罐詰工場にいた海軍制服の男、敵国との半ば公然とした密貿易、船底に横たわっていたスパイらしい男の謎、遭難した船の不可解な積荷……実は信じられないスケールの陰謀が進行中だったのだ。サスペンスフルで力強いマイクル・コニイの世界へどうぞ!!
『ハローサマー、グッドバイ』HELLO SUMMER, GOODBYE〈河出文庫コ4−1〉
訳:山岸 真/カバー:片山若子/発行:2008年7月20日
夏休暇をすごすため、政府高官の息子ドローヴは港町パラークシを訪れ、宿屋の少女ブラウンアイズと念願の再会をはたす。粘液が到来し、戦争の影がしだいに町を覆いゆくなか、愛を深める少年と少女。だが壮大な機密計画がふたりを分かつ……少年の忘れえぬひと夏を描いた、SF史上屈指の青春恋愛小説、待望の完全新訳版。
『冬の子供たち』WINTER'S CHILDREN〈サンリオSF45−C〉
訳:関口幸男/カバー:新井苑子/発行:1980年12月5日
一面の雪野原にぽつんと突き出た教会の塔。そこに5人の男と1人の女がいる。吹きやまない風。くる日もくる日も、目のくらむような白一色の雪野原を見てるうち、彼らはしまいにはどんな色をも感じなくなっていた。今では雪の下に埋もれた建物から缶詰を探し出しては食いつないできたものの残りはなくなろうとしていた。巨大な白いけもの〈四つ肢〉を殺せば、新鮮な肉を口にできるのだが、このところ〈四つ肢〉は、ある種の知性を備えはじめたらしく、連携して逆襲してくるようになった。それだけではない。肩に翼のような帆をつけてスキーをはいた肉の狩り手たちが彼らの棲家に気づいたらしいのだ。岐路に立った彼ら……塔の内側に回廊をめぐらして要塞化しようと主張する者、雪上船を建造して南へ、緑の樹木が生い茂り、色とりどりのニンジン、カボチャ、エンドウなどが収穫できる南の土地へ向かおうとする者……その対立は紛糾を極めていくのだった。
訳:那岐 大/カバー:冨士俊雄/発行:1981年9月15日
コーンウォールの研究所では極秘裡に時間研究がすすめられていた。その結果、多元宇宙が系列となっていて、それぞれの世界では起きる事件がわずかに食い違いはあるものの同じところへ均等化していることが発見された。こうした世界の間を往来する研究に参加したボートのセールスマンでホテルの支配人ジョン・メインのまわりに死と破壊が離れなかった。船の爆破、溺れかけた少年の劇的な救出、美しい女性スザンナの焼死、さらにジョンは殺人容疑をもたれたばかりか、平行するもう一つの世界でもう一人の自分が死んだことも判明した。それはこの世界でも同じことが起きるという前兆だろうか? また聖書外典スザンナ物語に登場する女性と同名の多元宇宙を往来する美と愛と生命の完全性を備えたカリスマのような女スザンナは実在しないのか? ジョンとの愛は何番目かの世界で成就するのか? 全編サスペンスフルな迫力に満ちたマイクル・コニイの円熟した力作。
〈半島〉シリーズ
「煌虫、ホーリーと愛」Sparkle Bugs, Holly and Love
『S‐Fマガジン254号』掲載(訳:望月二郎/イラスト:中原 修)
「懐かしき液体燃料時代」Those Good Old Days of Liquid Fuel
『S‐Fマガジン307号』掲載(訳:岡部宏之/イラスト:横山 宏)
液体燃料シャトルに憧れた青春の日々は、反重力船の登場と共に遠去かり……(キャプション)
「スターへのカタパルト」Catapult to the Stars
『S‐Fマガジン369号』掲載(訳:高林慧子/イラスト:坂口 尚)
カタパルトから打ち出されたグライダーは軽やかに大空を舞うはずだったが……(キャプション)
「ローレライの歌は消え」Die, Lorelei
『S‐Fマガジン454号』掲載(訳:山岸 真/イラスト:米田 裕)
海のセイレーンが歌う歌声は、海に棲むものたちの心を怪しく誘い揺さぶる(キャプション)
短篇
「第六感」Sixth Sense
『S‐Fマガジン326号』掲載(訳:岡部宏之/イラスト:天野喜孝)
海辺に宿屋を営む男。喧騒から逃れて生活する男に備わった第六感とは……?(キャプション)
「甘やかな夏、荒ぶる冬」The Summer Sweet, the Winter Wild
『S‐Fマガジン446号』掲載(訳:山岸 真/イラスト:門坂 流)
カリブーたちは不思議な力を持っていた。彼らが人間と遭遇した、そのとき……?(キャプション)
「グリーンのクリーム」The Sharks of Pentreath
『S‐Fマガジン534号』掲載(訳:山岸 真/イラスト:岩郷重力)
遠隔体の観光客が集まる港町ペントリースでは、今日も……(キャプション)
「人鳥たち」The Byrds
『S‐Fマガジン597号』掲載(訳:浅倉久志/イラスト:加藤龍勇)
祖母はある日突然、身体にペイントを施して、大空へと飛び立った……(キャプション)