ジョアンナ・ラス〈Joanna Russ


『フィメール・マン』THE FEMALE MAN〈サンリオSF文庫62−A〉

 訳:友枝康子/カバー:角田純男/発行:19811015

今から10世紀先にあるホワイルアウェイ、男性だけが罹る疾病で女性だけが生きのこり、科学の力で単性生殖が可能になっている未来の地球から使節としてやってきたジャネット。ヒトラーが政権を獲得することも第二次世界大戦が起こることもなく、大恐慌だけが続いている宇宙からやってきたジーニイン。女性と男性が戦争している多元宇宙からきているジェイル。そして、わが地球に最も近く、体と魂はそのままで女性人に変わったジョアナ(作者の名だ!)。これら全く異なったライフ・スタイルをもつJたちは、それぞれの分身として、もう一人の奴隷頭、鏡、反逆者、異端者、つまり謎として登場する。そして作者は、ニュー・ウエーブSFと女性解放論を力強く一つに抽象化することによって、この謎たちを、かつてあり、現在もあり、未来にもありうる女性の自己実現を強烈で混沌とした言語感覚で表現したものである。かまびすしい賛否両論をひきおこした問題作。


短篇


『変革のとき』When It Changed

 『20世紀SF4』所収(訳:小尾芙佐)

 『S‐Fマガジン190号』掲載(訳:小尾芙佐/イラスト:新井苑子

 六世紀もの間、忘れられていた言葉がホワイルアウェイの地に戻ってきた――宇宙船に乗って“彼”という代名詞が、そして、本物の地球人の男たちが……(キャプション)

 

『祈り』Souls

 『80年代SF傑作選(下)』所収(訳:冬川 亘)

 『S‐Fマガジン319号』掲載(訳:冬川 亘/イラスト:岩淵慶造)

 

『よそごと』Nobody's Home

 『S‐Fマガジン534号』掲載(訳:山田順子/イラスト:加藤俊章

 物質転送装置が実用化されたユートピア社会。でも、人々の心の奥は……(キャプション)

 

『〈黒髭〉の女』I Gave Her Sack and Sherry

 『ザ・ベスト・フロム・オービット (上)所収(訳:米村秀雄)

 

『わたしは古い女』An Old Fashioned Girl

 『究極のSF』所収(訳:深町眞理子)

 

『純真無垢』Innocence

 『三分間の宇宙』所収(訳:鎌田三平)

 

『すぐ役立つ地球語会話集』Useful Phrases for the Tourist

 『ミニミニSF傑作展』所収(訳:浅倉久志)


その他


『女性による、女性のための、愛のあるポルノグラフィ』Pornography by Woman for Woman , with Love

 エッセイ

 『S‐Fマガジン569号』掲載(訳:矢口 悟/イラスト:渡邊英徳)