エリック・フランク・ラッセル〈Eric Frank Russell〉
『超生命バイトン』SINISTER BARRIER〈ハヤカワ・SF・シリーズ3064〉
訳:矢野 徹/カバー:?/発行:1964年3月31日
事件の端緒は、まったく突発的だった。まずスエーデンの著名な科学者ビヨルンセン教授が急死した。検屍医は、急性の心臓病と診断した。ついで、イギリスのガスリー博士が、舗道で、友人と話している最中に倒れて死んだ。死因は心臓病だった。同じ日、ドイツのルーサー博士と、アメリカのメイヨ博士とが変死した。ルーサー博士は心臓病でメイヨ博士はビルの16階から墜落死したのだった。こうした著名な科学者たちの連続的な怪死に、最初疑念を抱いたのは、アメリカ政府の渉外係官グレアムだった。彼は、全世界の警察の手を借りて捜査した結果、恐るべき事実が明らかになった――最初の事件が起こってから五週間以内に、全世界のトップクラスの科学者19人が同じような原因で死んでいたのだ! しかも、死者たちは一様に、メスカリンやルチレン・ブルウ系統の麻薬を飲み、ヨードチンキを身体に塗っていた……。だが、恐怖は、さらにその後に来た。アイダホにあるナショナル・カメラ会社のシルバー・シティ工場が、あるとき、三万の従業員もろとも、大爆発を起こしたのだ。そして唯一の原因と考えられるのは、同工場に所属のビーチ教授が写した正体不明の奇怪な光球生物だった! 超生命ヴァイトンの挑戦に、絶滅の危機にさらされた人類! エリック・フランク・ラッセルの代表的傑作!
『見えない生物バイトン』SINISTER BARRIER〈講談社 世界の科学名作5〉
訳:矢野 徹/カバー:依光 隆/挿絵:古賀亜十夫/発行:1965年7月4日
つぎつぎにおこる科学者の自殺。地球人は、見えない光球生物バイトンにあやつられていたのだ。それを知った科学者が……。(既刊紹介)
『金星の尖兵』THREE TO CONQUER〈創元SF文庫631−01〉
訳:井上一夫/カバー:金子三蔵/発行:1965年12月24日
1980年、アメリカのハイウェーをドライブしていたウェイド・ハーパーの頭脳に突如として瀕死の男の悲鳴が飛びこんできた。彼は特異な精神感応力の持主だったのだ。現場に急行してみると、パトカーに乗った警官が殺されていた。犯人は三人組だ。州警察と協力して捜査に乗り出したハーパーは、すぐに三人組が、実は地球の人間ではないことを看破した。人間の肉体に寄生して地球征服をたくらむ金星の高等生物の来襲だ。地球対金星の手に汗にぎる前哨戦が開始される!
『宇宙の監視』SENTINELS FROM SPACE〈ハヤカワ・SF・シリーズ3134〉
訳:島岡潤平/カバー:金森 達/発行:1967年1月31日
地球からの独立を渇望する火星金星の移住者。はるか遠く外惑星群ヘ、さらにはアルファ・ケンタウリヘ到達するための基地として、その独立を認めぬ地球政府。悪化の一途を辿る両者の対立は、ついに惑星間宇宙戦争の勃発へとエスカレートした。それは、未知の技術を用い、未知の武器で闘われるすさまじい未知の戦争だった。だが火星と金星には、特殊な能カをもって生れたミュータントが数多くいた。テレパス、テレポート、空中浮遊人、催眠術人、容姿変貌人――十二種におよぶ変種人がその恐るべき超能力を存分に発揮したとき、戦争の帰趨は自ずと明らかだった。この時、劣勢に立った地球政府の救世主として現れた一人の男がいた。名はデヴィッド・レイブンといい、表向きは宇宙船のパイロットだった。だが、誰ひとり知らぬ秘密だが、彼は遠い星から派遣されてきた、さまざまな超能カをもつスーパー・ミュータントだったのだ。レイヴンはその超能力を駆使して事態の収拾をはかるため、単身、金星に乗りこんでいく。その真の目的が何かを知る者は、一人としていなかった! 傑作『超生命ヴァイトン』を世に送ったイギリスSF界の重鎮ラッセルが描く、熾烈な惑星間字宙戦争!
『大いなる爆発』THE GREAT EXPLOSION〈ハヤカワ・SF・シリーズ3200〉
訳:岡部宏之/カバー:中島靖侃/発行:1968年11月15日
名もない一介の労働者が発明した画期的な動力〈ブリーダー・ドライブ〉によって、人類の前に広大無辺の異星の世界がひらけた。それまで、到達不可能とされていた他の太陽系も、すぐ手の届く存在になったのである。人口過剰に悩む地球《テラ》がやみくもに大宇宙に飛びついたことは言うまでもない。あらゆる種族が、放浪者、野心家、殉教者、変人、ならず者、たんなる野次馬までが何千人、何万人となく大宇宙へと飛び立った。このブリーダー・ドライブ宇宙船が地球に及ぼした影響はきわめて重大だった。一世紀の間に、人類の50パーセントが理想郷と新天地を求めて、全星域に散らばっていった。いわばそれは地球人類の〈大いなる爆発〉だった。そして四百年後――。いまこそ地球は、宇宙に支配権を確立し、大宇宙帝国の建設に着手するときだった。乗組員、兵員、官吏など総勢2000人を乗せた全長1600メートルの超大型宇宙船が地球を飛び立った。だが、探険家が訪れた星々には、すでに地球人らしい地球人が住んでいる星は一つとしてなかったのだ! 奇想天外の宇宙探検を繰り広げる、巨匠ラッセルのユーモラスなスペース・ドラマ!
『特務指令〈ワスプ〉』WASP〈ハヤカワ・SF・シリーズ3197〉
訳:伊藤 哲/カバー:中島靖侃/発行:1978年10月15日
地球連合とシリウス国家連合との戦いは、遂に史上最大の恒星間戦争へとエスカレートした。戦況は地球軍に不利だった。地球の12倍もの人口を擁するシリウスは、物量の点で完全に優位に立っていた。だが、たった一匹の小さな蜂ワスプがパニックを引き起し、世界を震憾せしめることは間々あることだ……苦況に追いこまれた地球連合の興亡を荷うのが、まさにこの〈ワスプ作戦〉だった。奇襲攻撃でもなければ人海戦術でもなく、ただ一人の秘密機関員を敵地に送りこみ、広範囲の攪乱戦術を繰り広げるのだ。〈ワスプ〉に選ばれたのはシリウス語をこなすジェームズ・マウリーと名乗る男。顔かたちから歩き方までシリウス人そっくりに変装して、彼は単身シリウスの第94惑星ジェーメックに飛び、〈シリウス解放党〉なる架空の地下組織を結成し、大々的な戦争反対運動を展開した……。マウリーの変幻自在の活躍は図に当り、シリウス世界はにわかに騒然とし始めた。その頃、地球連合の宇宙艦隊は一路、シリウスをめざして広大な宇宙空間を飛翔しつつあった! イギリスSF界のベテラン作家ラッセルが放つスリリングなSFエスビオナージ!
『わたしは”無”』Somewhere a Voice 〈創元SF文庫631−04〉
訳:伊藤 哲/カバー:金子三蔵/発行:1975年9月26日
SF界のストーリー・テラー、E・F・ラッセルがみずから述べているごとく、「いくら飽くことない読者でもおそらく満足されるに違いない」多彩な短編集! とある惑星に救命艇で不時着した九人の悲惨な彷徨を描く「どこかで声が……」。発展しすぎた文明ゆえに自殺を望む男の物語「U-ターン」。思うがままの人物になり変わることを可能にする「忘却の椅子」。人類を絶滅寸前の危機から救った火星の詩人「ディア・デビル」。冷酷な独裁者が一人の少女に本当の愛情を教えられる「わたしは“無”」等全六編。
収録作品
『パニック・ボタン』THE TIMELESS ONES AND OTHER
STORIES〈創元SF文庫631−05〉
訳:峰岸 久/カバー:加藤直之/発行:1978年11月17日
アンタリア人の乗った宇宙船は、領有地にすべく、とある惑星に着陸した。ところが、すでにそこにはひとりの地球人が小屋を建てて住んでいたことから、この地球人の始末を巡って、喧々囂々の大騒ぎが始まった。惑星獲得競争を描いて皮肉な結末に至る「パニック・ボタン」、時代にとり残されてゆく年老いた男の、異星人との心の交流を詩情豊かに描いた「追伸」、異形の宇宙生物が地球の法廷に立たされる「証人」など、得意のストーリー・テリングで読者を飽きさせない、E・F・ラッセルの軽妙な傑作短編集!
収録作品
『20世紀SF2』所収(訳:酒井昭伸)
『S‐Fマガジン110号』掲載(訳:岡部宏之/イラスト:新井苑子)
合衆国に不法侵入したかどで、その見るからに気味悪いベムは起訴された。もちろん有罪は火を見るより明らかだった!(キャプション)
「衝動」Impulse
『クレージー・ユーモア』所収(訳:中上 守)
『地球への侵入者』所収(『インパルス』訳:汀 一弘)
『S‐Fマガジン10号』掲載(訳:川村哲郎/イラスト:真鍋 博)
テレパシイを持つ兇悪な宇宙生命に対抗する方法は?(キャプション)
「非常パイロット」Jay Score
『S‐Fマガジン19号』掲載(訳:川村哲郎/イラスト:中島靖侃)
すべてを焼きつくす巨大な原子炉――太陽に向かって、宇宙船はまっしぐらに落下する! 迫る危機を脱出する見込は万に一つその奇蹟を起せる男は、ジョイ・スコアだけだった(キャプション)
「ガラスの眼」The Glass Eye
『S‐Fマガジン28号』掲載(訳:宇野輝雄/イラスト:中島靖侃)
人間を含めてあらゆる生物の眼が感覚を失った時も、その冷たいガラスの眼は、彼を見つめていた……(キャプション)
『S‐Fマガジン207号』再掲載(訳:宇野輝雄/イラスト:中島靖侃)
宇宙人の装置が地球生物の視覚を奪った後も、その冷たく光るガラスの眼だけはじっと彼を見つめていた……(キャプション)
「ホビイ」Hobbyist
『S‐Fマガジン107号』掲載(訳:岡部宏之/イラスト:金森 達)
宇宙艇が不時着した惑星は、自然そのままの原始林が生い茂っていた。だがどこか不自然だった。どこが……!(キャプション)
「メカニストリア」Mechanistria
『S‐Fマガジン108号』掲載(訳:深町眞理子/イラスト:金森 達)
黒と赤と銀色に染まるその金属質の惑星は、人類の想像を絶した、グロテスクな機械生物たちの君臨する恐怖の世界だった!(キャプション)
「最後の爆発」The Last Blast
『S‐Fマガジン114号』掲載(訳:岡部宏之/イラスト:金森 達)
爆発はひそかになんの予告もなくおこった。轟音も震動もなく、ただにごった液体が飛び散っただけだったが、その瞬間、全人類の息の音はとめられたも同然だった!(キャプション)
「虹の彼方」Rainbow's End
『S‐Fマガジン119号』掲載(訳:岡部宏之/イラスト:真鍋 博)
偵察艇87Dの四人の地球人がそれとも知らずいそいそとはまりこんだ罠は、魅力的な小人達の住む虹の彼方の世界だった!(キャプション)
「ミュータント売ります」This One's on Me
『S‐Fマガジン155号』掲載(訳:加藤正美/イラスト:楢 喜八)
みすぼらしい裏町のミュータント売店で、貧相で生意気な売子は彼に豪語した――何だって作ってさしあげます!(キャプション)
「ブーメラン」Boomerang
『S‐Fマガジン196号』掲載(訳:斎藤 栄/イラスト:霜月象一)
彼は特殊機能を持ったロボットだった。権力者を憎むことを教えられ、二mの距離で外傷をつけずに彼らを殺す。そんな機能を持った完璧なロボットだった(キャプション)
「正午の約束」Appointment at Noon
『奇想天外10号』掲載(訳:中上 守/イラスト:?)
「共生」Symbiotica
『時間と空間の冒険 No.1』所収(訳:島岡潤平)
「ちんぷんかんぷん」Allamagoosa
『ヒューゴー賞傑作集No.1』所収(訳:川村哲郎)
「強制移住者」Displaced
Person
『ミニミニSF傑作展』所収(訳:酒匂真理子)
「ラブ・ストーリー」Love Story
『ミニミニSF傑作展』所収(訳:深見 弾)
「ミュータント」Muten
『SFカーニバル』所収(訳:小西 宏)