『メデューサの子ら』MEDUSA'S CHILDREN〈サンリオSF57−A〉
訳:菊池秀行/カバー:加藤直之/発行:1981年7月5日
クラン一族は水の世界に棲んでいた。海中に繁茂する巨大な植物の根っこに、翼をもがれた飛行艇に綱をかけて繋ぎ止め、そこをホームにしていたのである。この200人にも足りない一族は、水泡を捕えて空気を補給し、氷の破片を削りとっては飲み水に変えてかろうじて代々生きのびていた。だが、絶えず危険におびやかされていた。とりわけ貪欲で、深みに潜んでいて十本の触手で襲いかかってくるホラ。やがてクランの一人が死ぬと、奇怪にして想像を絶するほど巨大な神力の待ち受ける世界の中心にある闇へ放置されるのである。今、周囲の環境はゆっくりと変化しはじめていた。新たな海流が日を追ってスピードを増しており、食用魚が少なくなり、ホラが表面近くまで上昇してくるようになった。さらに流れは下へ、力の棲む中心へすべてを引きずりこもうとしているのだった……SF界の最も感銘深い作家の一人と「サンデイ・タイムス」の評するボブ・ショウ本邦初紹介。
『去りにし日々、今ひとたびの幻』OTHER DAYS , OTHER EYES〈サンリオSF57−B〉
訳:蒼馬一彰/カバー:加藤直之/発行:1981年10月15日
科学者で素人探偵も演じることになるアルバン・ギャロッドが新型のガラスを発明することになったのは不幸な事故がもとだった。新しい熱遮断ウィンドシールドを使った乗用者の事故の多発につづいて、超音速旅客機が墜落するに及んで、このガラスが光を通すのに長い時間を要する、つまり出来事の映像を内部に蓄えていて、何ヶ月か何年か後に再現することが分かったのである。このスローガラスは、アルバンに富と名声をもたらしたが、同時に厄介なトラブルをももちこむことになったのである。スローガラスを利用した上院議員殺人事件、養父を陥れようとする賭博組織の陰謀、妻の失明、監視衛星計画にとどまらず、国家権力が国民をスパイするために粉末状のスローガラスを撒布するに及んで地球は「今や地表にうごめくあらゆるものを見つめるひとつのまたたかぬ目と化した」のである。卓抜なアイディアと豊かな人物描写で感銘深いボブ・ショウの傑作!!
『年間SF傑作選7』所収(訳:大谷圭二)
『追憶売ります』所収(訳:浅倉久志)
『S‐Fマガジン499号』掲載(訳:浅倉久志/イラスト:西永芙沙子)
過ぎ去りし日々の風景をとどめるスロー・ガラス。そこに映るのは……(キャプション)
『おれは誰だ?』WHO GOES HERE ?〈サンリオSF57−C〉
訳:嶺 常生/カバー:加藤直之/発行:1981年12月15日
ウォレンは、罪と恥辱だらけの過去の記憶をすべて消されて、ひきかえに長い軍務契約を結んだ。入隊した宇宙軍団203連隊の仲間たちは、記憶の一部しか失っていないので彼を驚嘆し畏怖するあまり「おめえは、ほんまもんの化け物だな」と言ったりした。さて、彼ら203連隊は母なる地球のために宇宙船にのって異邦の惑星を転戦していった。ロボット兵との銃撃戦。無謀な突撃を指揮するハンディ大佐、爆発する毒きのこ、生きたまま人間を消化する毛布のような形の〈とびかかりじゅうたん〉……死線をさまよう戦闘の連続また連続。やがてウォレンは、失われた記憶と身もとを探して隊を脱走し、またもや犯罪を重ねていく。手掛かりはプラスチックの青あま蛙だけ。そして、彼を追跡するテレパシー能力と、金属的な輝きの裸体をもった不死身のオスカー。こうして失われた自分を求めて過去を旅していくユリシーズ、ウォレンは、そこでどんな自分と遭遇するのか?
『眩暈』VERTIGO〈サンリオSF57−D〉
訳:関口幸男/カバー:伊藤 徹/発行:1982年7月15日
21世紀のはじめ、反重力装具の開発は、航空機にかわってビッグ・ピジネスになろうとしていた。なにしろ安上りだし、早くて、スリリングでもあった。だが一方、間題も頻発していた。空では人がひしめきあい、事故は日常茶飯事だった。警察官ロバート・ハサンは、その危険性をなによりもよく知っていた。今、彼は空中衝突事故で瀕死の重傷を負った後、カナダでゆったりと体力の回復を待っていた。休息と保養のつもりだった。ところが思いもかけぬことがもちあがったのである。若い暴翔族の一団が、高くそびえる、空屋になったホテルにたむろして麻薬パーティをやったりしていたのだ。やがて起る殺人、高性能爆弾の爆発……ハサンは、それらに挑んで、眩量とも言うべき神経を苛立たせるそれらの悪夢に立ち向かっていくのだが――。奇妙な味わいがあり、巧妙な語り口で、輝かしいアイデアを孕んだ作品と評されたボブ・ショウの長篇作品。
『見知らぬ者たちの船』SHIP OF STRANGERS〈サンリオSF57−E〉
訳:嶺 常生/カバー:若菜 等/発行:1983年4月25日
宇宙地図製作公社の送り出しているサラファンド号は、新しく発見した惑星の地図を作成し、様々な驚くべき生活形態を探査し、異星人と接触することが使命だった。だが、予想もしない事件が頻発した。ある惑星では、6輌の測量走行車が出ていったのに、帰還したのは7輌だった。1輌は、何かの意図をもって姿を変えた異星人かもしれない。しかし、それはどれか? また、ある他の惑星では、過去・現在・未来を自在に往還できるヒューマノイド文明に遭遇する。そして、突然、サラファンド号の乗組員は、数百年の過去に島流しにされてしまうのだ。ついにかれらは、無慈悲にも、すべてがそのままでゼロ・サイズに縮小されていく遠い惑星に着陸するのだが……「SF分野で最も感銘深い作家の一人」(『サンデー・タイムズ』評)によるスペース・アドベンチャー。
『S‐Fマガジン242号』掲載(「時を渡る種族」訳:大野万紀/イラスト:依光 隆)
測量探査船サラファンドは惑星パラドルを調査中、幽霊出現の報告を受けた……(キャプション)
「物証の重み」Burden of Proof
『S‐Fマガジン218号』掲載(訳:榊 周一/イラスト:村上達人)
ついに実証の日はきたれり。十年の歳月は一瞬に凝集し、いまやおぞましき罪の証しはかたずのむ人々の眼前に……(キャプション)
「わたしはダンボ」Call Me Dumbo
『S‐Fマガジン338号』掲載(訳:汀 一弘/イラスト:米田仁士)
夫は私を“ダンボ”と呼ぶけど、どうしてかしら? ほかの名前がいいわ(キャプション)
「凍てついた獣たち」Frost Animals
『S‐Fマガジン372号』掲載(訳:黒丸 尚/イラスト:ひろき真冬)
帰還した宇宙飛行士を待ちうける奇怪な事件の真相は?――傑作SFミステリ(キャプション)
「永遠の家」The Cottage of Eternity
『S‐Fマガジン379号』掲載(訳:高林慧子/イラスト:米田仁士)
就職口はかんたんに見つかった。しかしそこには予想だにしない落とし穴が……(キャプション)
「訪問者」Conversion
『S‐Fマガジン409号』掲載(訳:増田まもる/イラスト:ひろき真冬)
虚空の遥か彼方より訪れたものとは?――そしてそれがもたらした驚異とは?(キャプション)
「モナ・リザ狂想曲」The Giaconda Caper
『S‐Fマガジン429号』掲載(訳:嶋田洋一/イラスト:米田仁士)
おれは私立探偵。捜査のやりかたはちょっと変わっているけれどれっきとした探偵だ(キャプション)
「カクテル・パーティ効果」Harold Wilson at the Cosmic Cocktail Party
『別冊・奇想天外15号』掲載(訳:鎌田三平/イラスト:塩谷 冥)
「あの世行きのホテル」In the Hereafter Hilton
『Omni日本版28号』掲載(訳:浅倉久志/イラスト:Hideki)
「生涯で最も幸福な日」The Happiest Day of Your Life
『三分間の宇宙』所収(訳:岡部宏之)
「2001年デフレの旅」Deflation 2001
『ミニミニSF傑作展』所収(訳:鎌田三平)
「闘技場」Amphitheater
『アンティシペイション』所収(訳:大野万紀)
「翼の影」Shadow of Wings
『魔法の国よ永遠なれ』所収(訳:厚木 淳)