ロバート・シルヴァーバーグ〈Robert Silverberg


別名:ロバート・ランドル〈Robert Randall


長篇


『いばらの旅路』THORNS〈ハヤカワ・SF・シリーズ3295

 訳:三田村裕/カバー:中島靖侃/発行:1972831

惑星マニプールの調査から帰ったミナー・バリスを迎えたのは、好奇とそして嫌悪のまなざしばかりだった。だが、それも当然のことかもしれない。マニプールに住む異星人に捕えられ、不思議な手術を施された彼の体は、とても人間とは思えぬ奇怪な姿につくり変えられていたのだ。左右に開くまぶた、複雑な構造をもつ関節、触手の生えた指、外側に円形のしわがよった口、こんな姿を一体だれが人間と呼ぶだろうか? だが、ひとりの少女が彼の異様な姿にもかかわらず彼を愛するようになる。彼女の名はロナ・ケルビン、卵子を科学者に提供して百人の子供の母となった17歳の処女である。ふたりは、彼らを引き合わせた大富豪ダンカン・チョークの援助で豪華な宇宙のハネムーンに旅立つ、しかし、彼らの幸福の背後には、巧妙な手口を弄しつつ彼らを苛立たせ、憎みあわせて再び悲劇のただ中にひきずり込もうとする邪悪な影が忍び寄っていた。意外にも、ふたりの恩人であるチョークは人の悲しみや苦悩を、文字通りむさぼり喰う恐るべき吸血鬼だったのだ。そんなこととは露知らぬふたりは、易々とチョークの術中にはまっていくかに見えたのだが……
本書は受賞こそ逸したが、1968年度ヒューゴー、ネビュラ賞候補作となり作者の新生面を切り拓いた傑作長篇!

 

『時間線を遡って』UP THE LINE〈創元SF文庫64901

 訳:中村保男/カバー:真鍋 博/発行:1974712

時は21世紀。時間旅行を企画・実施している〈時間サーヴィス公社〉。同社には、過去を監視し、“復旧”させることを任務とする時間パトロール隊と、時間観光客を過去へ案内する随伴ガイド部とがある。ホワイト・カラーの仕事に嫌気がさし、随伴ガイドとなった青年ジャッドは、幾多の性篇歴の後、ビザンチン帝国の首都で絶世の美女と出会うが……。SF界の俊英シルヴァーバーグが全編にまたがる克明なセックス描写とタイム・パラドックスに正面から取り組んだ異色作!

『S‐Fマガジン137号』掲載(『時間線をのぼろう(第1回)』訳:伊藤典夫・イラスト:真鍋 博

『S‐Fマガジン138号』掲載(『時間線をのぼろう(第2回)』訳:伊藤典夫・イラスト:真鍋 博

『S‐Fマガジン139号』掲載(『時間線をのぼろう(第3回)』訳:伊藤典夫・イラスト:真鍋 博

『S‐Fマガジン141号』掲載(『時間線をのぼろう(最終回)』訳:伊藤典夫・イラスト:真鍋 博

 

『禁じられた惑星』A TIME OF CHANGES〈創元SF64902

 訳:中村保男/カバー:真鍋 博/発行:1975425

キノール・ダリヴァルは人類が征服したあまたの惑星の一つに主権者の第二王子として生まれた。この世界では人びとの心の交流は厳しく制限され、会話の中で「わたし」という言葉を使うことが一切禁じられている。ただ、絆兄弟と絆姉妹にだけは心の中を打ち明けることが許されている。キノールは、父の死後主権者となった兄による粛清を恐れて生国から脱出を企て、やがて“変化の時”を経験するに至る。変化の時とは何か? 斯界の鬼才シルヴァーバーグが大胆な性描写を通して未来世界における人間の愛の昂揚と悲愴な挫折を描いた野心的なSF! 

 

10万光年の迷路』COLLISION COURSE〈久保書店QTブックス〉

 訳:中上 守/カバー:武部本一郎/発行:1975515

「わたしはロスゴラの種族のものだ、地球人よ。船が着陸するまで、わたしが案内役をつとめよう」
「しかし、わたしたちはどこに連れていかれるのですか」
「ロスゴラだ、地球人よ」おだやかな口調で、卒直な答えが返されたが、意味はよくわからなかった。
バーナードは頭を振った。幻覚だ。それが解答だ。彼が強引に結論をくだした、唯一の解釈だ。たとえここが大マジェラン雲のなかだとしても、宇宙船の固い壁を通りぬけ、ふわふわ漂い込んできて、完壁な地球語を話す生きものがいるなどということは……。

 

『夜の翼』NIGHTWINGS〈ハヤカワSF250

 訳:佐藤高子/カバー:中原 脩/発行:1977715

胡蝶のように精妙な翼をはばたかせて〈翔人〉が空を飛び、〈監視者〉は超感覚の増幅装置を手押車に載せて旅をする。〈支配者〉には〈中性人間〉がかしづき、〈記憶者〉はあらゆる事象を保存する――このあまりにも異形な世界こそ、数万年の時の果にみずからの犯した罪によって外敵の侵入におびえつづける、滅びゆく地球の姿だった。そして、一生を侵略者の見張りに捧げた老〈監視者〉が,〈翔人〉の娘、〈変形人間〉らとともに古都ロウムへさしかかったとき、すべては破滅へと向けて猛然と回転を始めるのだった。ヒューゴー賞、アポロ賞両賞受賞に輝く幻想SFの名作!

 

『いまひとたびの生』TO LOVE AGAIN〈ハヤカワSF254

 訳:佐藤高子/カバー:中原 脩/発行:1977815

とどまることを知らぬ科学の発達は、ついに驚くべき奇跡を現実化した。人間の人格=魂を完全に記録し、それを他の人間の脳の内部に蘇らせる技術が完成されたのだ! その結果、残された魂を、死者は再び第2、第3の人生を生きることが可能となり、また自分の脳に移植した魂の全能力全知識を活用できることから、寄生される人間も宿主となることには積極的だったのだが……。仏教的輪廻が、文字通りこの世に現出した遥かな未来世界を背景に、才筆シルヴァーバーグが真に不可思議な冒険へと読者を誘い、しかも生と死の前で苦悩する人間の姿を鮮やかに浮彫りにした快心作!

 

『一人の中の二人』THE SECOND TRIP〈創元SF64903

 訳:中村保男/カバー:真鍋 博/発行:1977107

おれの名前はポール。人間改造センターで生まれ、そこででっちあげた経歴も持っている。おれの肉体のもとの持主は有名な彫刻家だった。狂気にみちた連続強姦のかどで彼は抹殺された。ところが生まれたてのホヤホヤのおれを呼ぶ女がいた。彫刻家の名前で。ナット! おれはポールだ! それから事がはじまった。彫刻家はまだおれの中にひそんでいたのだ。自分の肉体をとりもどそうと彼は活動を始めた。一人の男の内部でくりひろげられる二人の人格の凄絶な闘い。ヒューゴー、ネビュラ両賞受賞作家の会心作。

 

『ガラスの塔』TOWER OF GLASS〈ハヤカワSF294

 訳:岡部宏之/カバー:中原 脩/発行:1978531

2−4−1、2−5−1、3−1……それは、電渡パルスで、ついでレーザー光線で23世紀の地球に届けられた異星からのメッセージだった。アンドロイドの創造者クルッグはそれを知るや、人類の存在を宇宙に知らせるために、巨大な送信機、“ガラスの塔”を北極に建設することを思いたち、アンドロイドをその過酷な地に労働力として送りこんだ。人間と同じように喜怒衰楽の感情を持つかれらは、自分たちの創造者グルッグをひそかに神とたたえつつ、奴隷状態からの解放の願いをかれに託していたのだが……米SF界の才筆が未来の「バベルの塔」の崩壊を想像力ゆたかに描きだす!

 

『不老不死プロジェクト』SHADRACH IN THE FURNACE〈創元SF文庫64904

 訳:岡部宏之/カバー:真鍋 博/発行:1978616

ウィルス戦争以後、地球は、ジンギス二世マオ四世カンの支配下にあった。シャデラックはカンの侍医。体内に埋めこんだ特殊装置でカンの体調をキャッチし、処置するのが彼の仕事だ。高齢のカンを生かし続けるために三つの研究が進められていた。機械仕掛の人形に彼の精神を移植する人形(タロス)計画、肉体そのものを若返らせる不死鳥(フェニックス)計画、若者の肉体に彼の精神を移植する化身(アバター)計画。ある日、化身計画の肉体提供予定者の若者が死んだ。そして次の肉体提供者にシャデラックが選ばれたのだ。事態は意外な方向に進む。

 

『生命への回帰』RECALLED TO LIFE〈日本文芸社〉

 訳:滝沢久子/カバー:中島靖侃/発行:1978620

弁護士として安穏な日々を過ごす、前ニューヨーク州知事ジェイムズ・ハーカーは、ある日突然、ある科学者グループから仕事の依頼を受ける。それはまさに、全世界のあらゆるもの、医学界・宗教界・政界・一般大衆、すべてのものを根底から揺るがせ得る重大な間題を含んでいた。生命の復活!! 死亡後二十四時間内であれば、重大な内臓疾患がない限り、ある科学的療法によって死んで間もない人間を必ず蘇生させることができる技術を開発したというのである。医の倫理が問われ、宗教界は混迷する。ジェイムズ・ハーカーにとって、蘇生術の推進は、無知と恐怖とヒステリーを相手の闘いであった。ヒューゴー、ネピュラ両賞受賞作家ロバート・シルヴァーバーグ入魂の会心作――本邦初訳!!

 

『大地への下降』DOWNWARD TO THE EARTH〈サンリオSF10−A〉

 訳:中村保男/カバー:久里洋二/発行:19781125

結局、ガンダーセンは戻ってきた。かつて地球行政官として滞在したことのある惑星ベルサゴールへ。五個の月が空にかかり、奇怪な植物が密生するこの惑星は、地球人が廃棄して以来、ニルドーロールが支配している。やがて、彼は、ニルドロール・キャンプ地へ行き、最重罪人のお尋ね者とになっているカレンを連れ戻す約束と引きかえに、やむにやまれぬほど彼をとらえている北の霧の国へ出発する許しを得る。途中、今もこの世界に残っているかつての仲間と出合う……廃墟の中で寄生虫が巣喰って死に瀕している男女、昔の恋人シーナ、〈再生〉に失敗して見るも恐ろしい姿に変わっていたクルツ……やがてガンダーセンは幾たびもの生を約束する〈再生〉儀式を受けるべく霧の国へと足を踏み入れる。生と死の遊戯を原色豊かな黙示録的輪廻しそうに塗りこめたニュー・シルヴァーバーグの面目躍如たる傑作!

 

『生と死の支配者』MASTER OF LIFE AND DEATH〈ハヤカワSF332

 訳:宇佐川晶子/カバー:中原 脩/発行:1979228

23世紀、人口爆発に悩む地球政府は〈ポピーク〉と呼ばれる世界人口の平均化を施行する組織を設立した。その役目は、人口過密地域から過疎地域へ人々を強制移住させること。そして、適者生存の法則に反する人間を安楽死させることだった! 折りしも死刑執行人として人々に怖れ憎まれていた〈ポピーク〉の長官が暗殺された。後任には急遽副長官のウォルトンが抜擢されたがやがて彼は、全長官が密かに画策していた驚くべき陰謀の渦中に、いやおうなく巻きこまれていった……。俊英シルヴァーバーグが、病める現代の持つさまざまな問題を鋭く暴き、未来社会に投影した問題の書!

 

『多元世界の門』THE GATE OF WORLDS〈立風書房〉

 訳:冬川 亘/イラスト:門坂 流/発行:19791210

守護神・ウィツロポチトリが人間の血液を食物としていたこともあって、アステカは次々に他部族を征服した。モクテスーマ一世在位の15世紀にはメキシコ全土を治め、16世紀になると“軍時的神権政治”国家へと成長する。彼らは地方郡市国家から織物、穀類、金、銀、宝石などの租税を徴収し、商業・貿易とあわせて莫大な富がテノチティトランヘと流れこんだのである。インド、東方に到る西回り航路の開拓は“黄金”を求める15世紀ヨーロッパの夢であり野心であった。1492年コロンブスは新大陸に到達するが、彼はこの大陸をインドと思い、原住民を「インド人」と呼んだ。ヨーロッパはこの大陸を「アメリカ」と命名し、1521年、スペインはアステカ王国を亡ぼす。以後、帝同主義ヨーロッパは「アルリカ」を植民地とし、収奪をつづけた。――しかし、ダン・ビーチャムにとって「アメリカ」という名もヨーロッパの侵攻も夢想すらできない世界であった。

 

『第四惑星の反乱』REVOLT ON ALPHA C〈岩崎書店 フォア文庫〉

 訳:宇佐川晶子/カバー:中原 脩/発行:19809

ラリー・スタークら士官候補生をのせた宇宙船は、十五日間の航行をおえ、最終目的地に到着した。地球から四・五光年の距離にあり、いまだに恐竜のすむ若い世界、アルファC第四惑星。ラリーは、長いあいだいだいていた夢がようやく実現されたのを感じた。しかしその頃、アルファC全土には、自由と独立をもとめる革命の気運が高まりつつあった。

 

『時の仮面』THE MASKS OF TIME〈ハヤカワSF413

 訳:浅倉久志/カバー:中原 脩/発行:19801130

1998――世界は、ゆるぎない平和と高度の経済的繁栄を保ちながらも、世紀末の不安に直面していた。新たな千年紀の到来と同時に世界が破滅するという《終末信仰》が広がり、人びとは狂気に借られたように刹那的な快楽を追いはじめていたのだ。その終末暴動の吹き荒れるクリスマスの日のローマに、透明球に乗った素裸の男が、突然空中から出現した! 彼はヴォーナン19と名のり、30世紀からやって来た時間旅行者だという。はたして彼は本物の未来の半人半神なのか? やがて世界は新しい、よりヒステリックな狂信に巻きこまれていった……。重厚かつ壮大な戦慄の未来SF!

 

『確率人間』THE STOCHASTIC MAN〈サンリオSF10B

 訳:田村源二/カバー:ナカムラテルオ/発行:19801225

世界の出来事は、すべて偶然の産物だ。だが、そのパターンは推測できる。確率計算の仕事をしていたルウは、そう信じていた。有能な政治家ポールを合衆国大統領にしようと、手はじめに市街戦で死者が続出する荒廃しきったニューヨークの市長に当選させた後、莫大な資金を援助してくれた相場師に会うまでは。データ分析および参謀のルウが彼から受け取った紙片は、汚職の発見、知事の急死、タンカー事故を正確に予言していた。それは推測から直感的予知へ、確率計算から完全な予言への到達を意味するものか? ルウは迷ったすえ全てを棄てて彼の弟子となった。かつてアインシュタインが「神は賽を振らない」と言ったのに対し、ボーアは「それを決めるのは人間ではない」と答えた。やがて、映像を、轟音を響かせながら混乱する映像の奔流を見るに到ったルウは、神の賽を振る手を、賽の目を見たのか? 二時間線理論の仮構のもとに展開するシルヴァーバーグ会心の衝撃作。

 

『内死』DYING INSIDE〈サンリオSF10C

 訳:中村保男・大谷豪見/カバー:中西信行/発行:198135

宇宙はエントロピーの増加よって秩序から混沌へと衰弱して遂には全滅するという。ところがN・ウィーナーによれば、生命、とくに人間はそれと戦い、反エントロピーを短期問だが保持できる英雄だというのだ。さて、ここに男が一人いる。名はシーリグ、41歳。読心術ができ、他人の心の覗き屋だった。早熱で、10歳の頃には父母の秘密……家計上の不安、性交の快楽と苦痛などを残らず知っていた。それは彼にとって遊びであり、信仰であり、復讐だった。排卵中の雌烏の魂に入って尻の穴の収縮を感じたり、魚の意識に侵入したり、長じては女の魂と結合して性交中の激しい陶酔を知ってクライマックスの強烈さを高め、学生のレポートを代作して生計を立てることができた。だが、彼の能力も枯れはじめた。LSDや絶食を試してみたが、エントロピーの増加=内死を止めることは不可能だった。その悲哀と至福をクールにユーモラスに描くシルヴァーバーグの代表作。

 

『内側の世界』THE WORLD INSIDE〈サンリオSF10−D〉

 訳:大久保そりや・小川みよ/カバー:藤居正彦/発行:1986310

2381――。都市体(アーバンモナド)116号塔799階、上海市の住民社会算定学者チャールズ・マタンの悩みは、妻のプリンシペッサが4人の子供を生んだだけで不妊になってしまったことだった。食糧問題を解決することで、地球には750億の人間が共存していた。1000階建ての超高層ビル〈都市体〉には80万を越す人間が住み、さらには生殖が奨励されていた。一切の性的禁忌は存在していなかったが、生殖を伴わない性行為やそれに逆行する振舞いは逆上派として厳しく弾圧された。都市体は社会階層によって40階ずつ仕切られ、それぞれ都市名がつけられている。学者の住む上海市のチャールズ・マタンは、不妊の妻に失望して、夜歩きに出る――ただし、それは上海市内〈都市体116号塔760800階〉に制限されていた……。独創的かつユニークな近未来像を提示した、ニュー・シルヴァーバーグの連作長篇SF。

 

『夜来たる』NIGHTFALL〈創元SF文庫604-09

 共著:アイザック・アシモフ

 訳:小野田和子/カバー:浅田 隆/発行:1998626

六つの太陽が空をめぐる惑星。この世界では一暖たりとも陽光の途絶えたことがなく、人々は闇というものを知らずに文明を謳歌してきた。だが、若き天文学者が思いもよらぬ事実を察知した。この星に、二千年に一度の夜がくる。誰も体験したことのない恐るべき闇夜が! 宗教団体が勃輿し、ジャーナリストが潮笑し、問題の一夜のためのシェルターが建造されるなか、着々とその時は迫る。巨匠アシモフのベスト1とされる高名な短編が、盟友シルヴァーバーグとの共作で長編化。

 

『アンドリューNDR114THE POSITRONIC MAN〈創元SF文庫604-10

 共著:アイザック・アシモフ

 訳:中村 融/カバー:スチル(映画『アンドリューNDR114』)/発行:2000421

ある日マーティン家に配送されてきた、USロボット社製の家政用ロボットNDR114。下の娘の命名によってアンドリューと名づけられた彼には、どうした偶然からか、本来ないはずの芸術の才能がそなわっていた。一家との交流を重ねるうち、やがて彼は“人間”ヘの道を探究しはじめる。法的自由を求め、衣服を求め、そして人と寸分たがわぬ体を求めた彼が、200年が過ぎるうちに見出した結論とは? ヒューゴー賞・ネビュラ賞受賞の栄誉に輝いた傑作中編「バイセンテニアル・マン」の長編版。映画化原作。


〈マジプール〉シリーズ


『ヴァレンタイン卿の城(上)』LORD VALENTINE'S CASTLE〈ハヤカワSF608

 訳:佐藤高子/カバー:K・G・ヤナセ/発行:1985430

大行列にサーカスに王家の祝典……ピドルイドの都は、いま新しい〈皇帝〉ヴァレンタイン卿をむかえ、絢爛たる祭りに酔いしれていた。この惑星マジプールが人類によって植民されてからはや幾星霜、かつての先住民族メタモルフとの間で行われた激しい戦いもいまは昔語りとなり,人類、ゲイログ、スカンダー、ヴルーンら各異星種族は、四人の権力者〈教皇〉〈皇帝〉〈聖母〉〈夢の王〉の支配のもと、平和に暮らしていた。だが、新たに即位したヴァレンタイン卿には驚くべき秘密が……名作『夜の翼』に勝るとも劣らないと、米SF界で絶賛された、傑作サイエンス・ファンタジイ!

 

『ヴァレンタイン卿の城(下)』LORD VALENTINE'S CASTLE〈ハヤカワSF609

 訳:佐藤高子/カバー:K・G・ヤナセ/発行:1985430

ただならぬ暗雲が、平和で美しい惑星マジプールを覆いつつあった。現在の支配体制を内側からなしくずしにし、権力を一手に握らんと画策する者がいたのだ! 〈夢の王〉の息子ドミニン・バルジャジット――彼の野望を打ち砕くべく、旅回りのジャグラー、ヴァレンタインは、一路ヴァレンタイン卿の城のある〈城ヶ岳〉を目差して旅立った。だが、ヴルーン族の妖術師デリアンバー、四本の腕を持つスカンダー族のザルザン・カボル、馬飼いの少年シャナミールらを引き連れたヴァレンタインを待ち受けていたのは、恐るべき危難の連続であった……ファン待望の、傑作SF巨篇登場!

 

『マジプール年代記』MAJIPOOR CHRONICLES〈ハヤカワSF661

 訳:森下弓子/カバー:K・G・ヤナセ/発行:1986415

〈皇帝〉ヴァレンタイン卿の復位第四年めのこと、〈迷宮〉の記録院事務官を勤める少年ヒスーンは、要人以外立入禁止の〈霊魂記録室〉にまんまと入り込むことに成功した。このマジプールに生きたありとあらゆる人々の魂の記憶がカプセルに記録され特殊な装置を用いて、過去の人々の人生を再体験できる〈霊魂記録室〉。退屈な書類仕事から逃がれ、冒険を求めて、ヒスーンはカプセルを次々に呼びだしていく……九千年前のナラバル、スティアモット卿のメタモルフ戦争、〈大海〉の横断を試みた冒険者たち。様々な時代に生きた人々の魂の歴史をもとに綴られるマジプール年代記!

 

『〈教皇〉ヴァレンタイン(上)』VALENTINE PONTIFEX〈ハヤカワSF705

 訳:森下弓子/カバー:K・G・ヤナセ/発行:1987228

空気は暗く、つめたかった。凍てつくような風にはこばれて雪が烈しくたたきつけるように降ってきた。雪? この〈城ヶ岳〉に? 突然、大音響とともに大地がひびわれ、万物が狂ったようにうねり、そしてわきかえった。まるで、世界中がこなごなになり、崩れおち流れ出していくかのように……目をあけると、スリートが心配そうにのぞきこんでいた。とすると、夢だったのだ。だがなんという夢! お邌りの途中、〈迷宮〉にたちよったヴァレンタイン卿におぞましい悪夢が訪れたのと時を同じくして、マジプール全土に、悪夢さながらの恐るべき出来事が次々におこりつつあった! 

 

『〈教皇〉ヴァレンタイン(下)』VALENTINE PONTIFEX〈ハヤカワSF705

 訳:森下弓子/カバー:K・G・ヤナセ/発行:1987228

疫病に飢饉、害獣、そしてにせ〈皇帝〉による反乱……マジプール全土を襲った災厄が、実はメタモルフによる陰謀であることをつきとめた〈皇帝〉ヴァレンタインは、〈島の聖母〉〈夢の王〉そしていまは〈城ヶ岳〉で大公として活躍するヒスーンらとともに、手をたずさえ、一丸となってこの恐るべき危機に立ち向かった。マジプールに、ふたたび平和と安息の日々をもたらすために。だが、旅を続けるヴァレンタイン卿の前には、〈変化〉たちによる恐るべき陥穽が待ち受けていたのだ……巨匠シルヴァーバーグが、奔放な想像力と華麗な筆致で描きあげた、好評シリーズ第三部! 

 

「第七の神殿」The Seventh Shrine 

 『伝説は永遠に1』所収(訳:森下弓子)


短篇集


『我ら死者とともに生まれる』BORN WITH THE DEAD〈早川書房 海外SFノヴェルズ〉

 訳:佐藤高子/カバー:中原 修/発行:19801015

蝋のように青白く、生身らしからぬ艶のある皮膚、そしてゆるやかな身振り。とりわけ奇妙なことは、その無気力な目差しにあった。そう、その物に動じることのない不動の視線こそ、死者であることの証しだった……1990年、とどまるところをしらぬ科学の発達は、ついに驚嘆すべき奇跡をなしとげた――死後再び生きることが現実化されたのだ! しかも、再生された人々は〈死者の街〉と呼ばれる地域で、独自の文化さえ築きあげていた。ホルヘの愛妻シビルもそのような畏怖すべき科学の恩寵にあずかった一人だった。だが、ホルヘには納得がいかなかった。今や妻シビルは生者とはいえぬまでも、ホルヘと同じ大地に立ち、同じ空気を吸い、しかも実際に彼の目の前を歩いているのだ。それも、死者同士といえども、他の男と! 憤懣やるかたないホルヘは、今一度シビルの愛をとりもどそうと、〈死者の街〉ヘと潜入したが……*抑制の効いた文体、見事な設定、明確なテーマ、そして透徹した内面描写とが見事に融合し、ニュー・シルヴァーバーグの頂点を極めたともいうべき1975年度ネビュラ賞中篇部門賞受賞作「我ら死者とともに生まれる」ほか、「予言者トーマス」「ゴーイング」の佳品二篇を収録したファン待望の書!

 収録作品

『S‐Fマガジン215号』掲載(イラスト:浅賀行雄)

宙空に停止したその目――遠く霊魂の世界をのぞきこむ瞳――彼らは、その虚ろなまなざし故にバラ色の頬持つ“死者”だった……(キャプション)


短篇


「記憶が俺を…」The Man Who Never Forget

 『S‐Fマガジン18号』掲載(訳:宇野輝雄/イラスト:中島靖侃)

記憶術にうつつをぬかすあなたに読ませたい。人間テープレコーダーの悲哀と苦痛と絶望を……(キャプション)

 

「改体者の行く道」Where the Changed Ones Go

 『S‐Fマガジン99号』掲載(訳:斎藤伯好/イラスト:金森 達)

金星の苛酷な環境と排他的な原住民社会にとけこむためかれは体組織を金星人そっくりに改造してまで、ヴォースト教の布教に精魂尽くしたが……(キャプション)

 

「ホークスビル収容所」Hawksbill Station

 『ホークスビル収容所』所収(訳:浅倉久志)

 『ベストSF1』所収(訳:浅倉久志)

 『S‐Fマガジン118号』掲載(訳:浅倉久志/イラスト:金森 達)

〈ハンマー〉が赤く輝く時、それは10億年の未来から公安秩序の維持という名目で反政府主義者たちを送りこんでくる、残酷な一方通行の時間流刑を意味した!(キャプション)

 

「だましあい」Double Dare

 『S‐Fマガジン135号』掲載(訳:斎藤伯好/イラスト:岩淵慶造)

地球の科学技術がドメランギ星のそれを凌ぐか否かは、はるばる地球政府から派遣された二人の若い技師の能力如何にかかっていた!(キャプション)

 

「アラリー」Alaree

 『S‐Fマガジン142号』掲載(訳:深町眞理子/イラスト:中島靖侃)

地球人の悪意のないお節介が陽気な異星人を破滅に追いやった――人類と初めてコンタクトした共同生命体の不運な終末!(キャプション)

 

「憑きもの」Passengers

 『ザ・ベスト・フロム・オービット (上)所収(訳:浅倉久志)

 『S‐Fマガジン149号』掲載(訳:浅倉久志/イラスト:楢 喜八)

私の行動を決めるのが私でない! 三年前に憑きものたちが来て以来、すべてが一変したこの世界で私は自分を取り戻そうと闘った!(キャプション)

 

「太陽踊り」Sundance

 『20世紀SF3』所収(訳:浅倉久志)

 『S‐Fマガジン155号』掲載(訳:大和田 始/イラスト:中島靖侃)

惑星の生態系を破る害獣を無慈悲に絶滅させてゆくうちに、彼の血の中に眠るアメリカインディアンのなまぐさい虐殺の記憶が甦った!(キャプション)

 

「水星に太陽が」Sunrise on Mercury

 『S‐Fマガジン167号』掲載(訳:島岡潤平/イラスト:中島靖侃)

自殺をはかった乗組員が出て以来、順調な飛行が、一転狂いはじめた! 彼らを包む見えざる干渉の手とは何か?(キャプション)

 

「ヴァチカンからの吉報」Good News From the Vatican

 『S‐Fマガジン179号』掲載(訳:浅倉久志/イラスト:楢 喜八)

近づくヴァチカンの新法王選挙で最有力視される候補は、ロボットとコンピューターの時代にふさわしく、鋼鉄製のロボット枢機卿だった!(キャプション)

 

「マグワンプ4」Mugwump 4

 『S‐Fマガジン187号』掲載(訳:浅倉久志/イラスト:岩淵慶造)

「オペレーター9号どうぞ……」受話器に入ってきた男の声は、それから始まる奇妙な悲劇の華麗なる開幕のベルの音だった!(キャプション)

 

「闇に至る道」Road to Nightfall

  『S‐Fマガジン191号』掲載(訳:小尾芙佐/イラスト:岩淵慶造)

21世紀なかば――世界大戦は終わりを告げた。しかし、廃墟と化し自給不能のニューヨークは頼みの綱のトレントン・オアシスから食料供給の停止宣告を受けてしまった……(キャプション)

 

「グループ」In the Group

 『ラブメイカー』所収(訳:川村哲郎)

 『S‐Fマガジン211号』掲載(訳:川村哲郎/イラスト:畑農照雄)

これは哀れにも一人の女性を愛してしまった、いまわしい先祖がえりの一人の男の、はかなくも悲しい愛の物語です……ピース(キャプション)

 

「恋するイシュメール」Ishmael In Love

 『S‐Fマガジン287号』掲載(訳:佐藤高子/イラスト:横山 宏)

彼女には突出した吻も、つややかな鰭もない……だが彼女こそ愛しき人間……(キャプション)

 

「帰らざる神々」After the Myths Went Home

 『S‐Fマガジン325号』掲載(訳:佐藤高子/イラスト:横山 宏)

アダム、アキレス、ペルセウス……全ての神々を出現させてしまった人類は?(キャプション)

 

「第六の宮殿」The Sixth Palace

 『S‐Fマガジン330号』掲載(訳:新藤純子/イラスト:野中 昇)

財宝を得んとする者は、ロボットの出す難問に答えねばならないのであった(キャプション)

 

「セックスと嘘とタイム・マシン」Many Mansions

 『S‐Fマガジン465号』掲載(訳:浅倉久志/イラスト:吾妻ひでお)

妻は夫を憎み、夫は妻の死を願い、その祖父は孫の妻に妄想を抱いて……(キャプション)

 

「永き夜の終わりに」Sunrise on Plute

 『S‐Fマガジン483号』掲載(訳:岡田靖史/イラスト:米田 裕)

太陽系さいはての惑星で発見された物体――はたして、機械か? 生物か?(キャプション)

 

「白亜紀の狩人」Hanter in the Forest

 『S‐Fマガジン495号』掲載(訳:佐田千織/イラスト:おがわさとし)

狩るか狩られるか! 男はスリルを味わうために白亜紀にやってきたはずだった……(キャプション)

 

「現実からのトリップ」The Reality Trip

 『S‐Fマガジン534号』掲載(訳:中村 融/イラスト:米田仁士

彼女は詩人。この地球で、わたしに与えられた任務を妨げる存在だが……(キャプション)

 

「鉄の独裁者」 The Iron Chancellor

 『別冊・奇想天外15号』掲載(訳:酒匂真理子/イラスト:皆川幸輝)

 

「われら竜脚類の聖母」Our Lady of the Sauropods

 『Omni日本版11号』掲載(訳:伊藤典夫/イラスト:フランク・フラゼッタ)

宇宙空間に浮かぶ人工の島、ダイノ島。恐竜たちがうごめく島を、ひとりの裸の女がさまよっていた……。シルヴァーバーグの傑作登場!(キャプション)

 

「バジリウス」Basileus

 『Omni日本版18号』掲載(訳:厚木 淳/イラスト:Rowena Morrill

 

「ソウル・ペインター」The Soul Painter and the Shapeshifter

 『Omni日本版25号』掲載(「Part 1」訳:厚木 淳/イラスト:Charles Pfahl

未知の体験を求めて旅に出た天才画家ニスマイルと、彼を待ち受けていた絶世の美女サリス。2人の、異星での奇妙な恋物語が、シルヴァーバーグの熟成した筆によって華麗に展開される。めくるめく官能的SF世界を前後2回にわたり連載!(キャプション)

 『Omni日本版26号』掲載(「Part 2」訳:厚木 淳/イラスト:Pierre Lacombe

画家にスマイルが森の中で出会った美女サリス。彼女の本当の姿は、あのグロテスクな変態変身生物なのだろうか? ニスマイルは精神感応キャンパスに、彼女を描いてみたいと申し入れるのだが……。驚異と美に満ちた官能的SF、待望の後編!(キャプション)

 

「ハードウェア」Hardware

 『Omni日本版75号』掲載(訳:厚木 淳/イラスト:?)

宇宙空間から採取された金属製の謎の厚板――その正体は驚くべき知能をもったスーパー・コンピュータだった!? 彼は太陽系の失われた惑星の生き残り知性体なのだ(キャプション)

 

「上か下か」Woman World

 『宇宙のエロス』所収(訳:福島正美)

 

「社内販売」 Company Store

 未来企業所収(訳:野口幸夫)

 

「記憶の呪縛」The Man Who Never Forgot

 『ミュータント傑作選』所収(訳:宇野輝雄)

 

「どんな場所?」The Nature of the Place

 『ミニミニSF傑作展』所収(訳:小隅 黎)

 

「暗殺者」The Assassin

 『ショート・ショート秀作集2』所収(訳:勢田夏子)

 

「すいすい落ちてく」Going Down Smooth

 『ギャラクシー(下)』所収(訳:野口幸夫)

 

「旅」Trips

 『究極のSF』所収(訳:岡部宏之)

 

「蝿」Flies

 『危険なヴィジョン@』所収(訳:浅倉久志)

 

「境界線を越えて」Getting Across