ニール・スティーヴンスン〈Neal Stephenson


『スノウ・クラッシュ』SNOW CRASH〈アスキー出版局〉

 訳:日暮雅通/カバー:鈴木成一デザイン室/発行:19981012

近未来のアメリカ。連邦府は存在するものの、国家としてのシステムは実質的に崩壊していた。政府の代わりをしているのは、フランチャイズ経営される都市国家。これら都市国家が、パッチワークのように全米に分散し、勢力を争っていた。いまやアメリカが世界に誇れるものは、4つだけ。ソフトウェアの3M――音楽(ミュージック)と映画(ムービー)とソフトウェア作り(マイクロコード)。それに、マフィアが牛耳るピザの高速配達だけだ。もともとフリーランス・ハッカーをしていたヒロ・プロタゴニストは、ピザの配達屋をクビになり、現在はセントラル・インテリジェンス社(CIC)の情報屋をしている。巨大なVRネットである“メタヴァース”に出入りするうちに、彼は、謎のウイルス、“スノウ・クラッシュ”をめぐる事件に巻き込まれていく……。

 

『スノウ・クラッシュ(上)』SNOW CRASH〈ハヤカワSF1351

 訳:日暮雅通/カバー:鶴巻和哉/発行:2001430

30分以内に配達できなければ、死が待っている……マフィアが経営する高速ピザ配達フランチャイズの〈配達人〉ヒロ・プロタゴニストは、世界最高の剣士にして、腕ききのハッカー。仮想空間のメタヴアースでスノウ・クラッシュと呼ばれる新種のドラッグを試してみないかと誘われたことから、とんでもない事件にまきこまれていくが!? 近未来のアメリカをスピーディに駆けるハッカーたちの活躍を描くネット世代のためのSF

 

『スノウ・クラッシュ(下)』SNOW CRASH〈ハヤカワSF1352

 訳:日暮雅通/カバー:鶴巻和哉/発行:2001430

高速で走る車に勝手にケーブルをつないで、道路を縦横無尽にスケートボードで走りまわる15歳の少女、YT。危険きわまりないRadiKSの〈特急便屋〉をしていることは、もちろんママには内緒だ。ふとしたことからヒロと知り合ったYTは、現実と仮想空間のメタヴァースの両方でばらまかれたウイルス、スノウ・クラッシュをめぐる奇怪な陰謀にまきこまれるが……近未来をあざやかに描くポストサイバーパンクSF


『ダイヤモンド・エイジ(上)』THE DIAMOND AGE〈ハヤカワSF1552

 訳:日暮雅通/カバー:瀬戸羽方/発行:2006331

近未来、ナノテクの発達により、文明社会は大きく変貌していた。世界は国家ごとではなく、人種・宗教・主義・趣味などを共有する者の集まりからなる、多種多様な〈国家都市〉に細分化されている。上海の貴族フィンクル=マグロウ卿は、孫娘の教育用にナノテクの粋をきわめた初等読本の作製を依頼するが……ダイヤモンドをはじめ、すべてをナノテクで作りだせるようになった近未釆を措く、ヒューゴー賞・ローカス賞受賞作。

『ダイヤモンド・エイジ(下)』THE DIAMOND AGE〈ハヤカワSF1553

 訳:日暮雅通/カバー:瀬戸羽方/発行:2006331

フィンクル=マグロウ卿から、孫娘の教育のために使う、画期的なインタラクティヴ・ソフトの開発を依頼された技術者ハックワースは、初等読本を自分の娘のために不正コピーした。だが、そのコピーは、ある事件をきっかけに貧困にあえぐ薄幸の少女ネルの手にわたってしまう。プリマーをめぐり、さまざまな人々の思惑が渦巻くなか、やがて、ネルは驚くべき冒険の旅に出る……物語が世界を変革する物語、新世代のためのSF

 

「「太平洋沿岸の〈部族〉」第三巻(最終巻)よりの抜粋」Expert from the Third and Last Volume of 'Tribes of Pacific Coast'

 『S‐Fマガジン568号』掲載(訳:日暮雅通/イラスト:藤原ヨウコウ)

 S―H―教授による、西海岸民俗誌学遠征の記録―『ダイヤモンド・エイジ』外伝(キャプション)


クリプトノミコン〈CRYPTONOMICON


『クリプトノミコン1-チューリング-CRYPTONOMICON〈ハヤカワSF1398

 訳:中原尚哉/カバー:佐伯経多&新間大悟/発行:2002430

第二次大戦前夜、プリンストン大学に学ぶ青年ローレンスは、数学への興味を同じくする英国人留学生チューリングと出会う。やがて彼らは、戦争の帰趨を左右する暗号戦の最前線で戦うことに……それから半世紀、ローレンスの孫ランディもネット技術者として暗号に関わっていた。彼は大戦との因縁深いある策謀に巻きこまれていくが!? 暗号をめぐり、二つの時代――第二次大戦中と現代で展開される情報戦を描く冒険SF大作

 

『クリプトノミコン2-エニグマ-CRYPTONOMICON〈ハヤカワSF1401

 訳:中原尚哉/カバー:佐伯経多&新間大悟/発行:2002531

解読困難な暗号エニグマで通信を秘匿するUボートと戦う連合軍支援のため、英国のクフルム島に派遣されたローレンス。彼はこの島の沖で座礁したUボートを調査中、エニグマよりはるかに高度な新型暗号と金塊を発見する。時は移り現代、ランディはネット事業のためフィリピン沖で海底電線敷設中、沈没した大戦中の潜水艦を発見する。半世紀の時をへだてたこの二隻の関係は? そして、交錯する事件の裏に隠された秘密とは……

 

『クリプトノミコン3-アレトゥサ-CRYPTONOMICON〈ハヤカワSF1404

 訳:中原尚哉/カバー:佐伯経多&新間大悟/発行:2002630

ローレンスがその存在を発見した新型暗号アレトゥサ。日独間の一部の通信文にしか出現しないこの特殊な暗号に歯がたたない情報部を尻目に、ローレンスは自ら考案した電子計算機を用いて解読に取りかかる。その半世紀後、親族会議出席のため帰郷したランディは、たまたま目にした祖父の遺品の中にアレトゥサの調査記録を発見する。謎めいた祖父ローレンスの業績を追い、ランディは歴史の闇に消えた事実を探りはじめたが……

 

『クリプトノミコン4-データヘヴン-CRYPTONOMICON〈ハヤカワSF1407

 訳:中原尚哉/カバー:佐伯経多&新間大悟/発行:2002731

アレトゥサ暗号の謎を追うローレンスは進撃する米軍に同行、暗号電文の発信地フィリピンヘ向かった。彼は、その地で日本軍が隠した莫大な金塊とアレトゥサの意外な関係を知ることに……半世紀後、ランディもアレトゥサに挑んでいた。彼は資金難のデータヘブン事業を救うため、祖父の遺した記録をたどり、日本軍の金塊探索に赴くが……!? 半世紀の時をへだて、幾重にも交錯してきた謎と冒険の物語は、今ここに大団円を迎える


短篇


「サモリオンとジェリービーンズ」The Great Simoleon Caper

 『90年代SF傑作選(上)』所収(訳:日暮雅通) 

 『S‐Fマガジン516号』掲載(訳:日暮雅通/イラスト:小菅久美)

 話題作『スノウ・クラッシュ』の著者が描く、スマートでヒップなメタヴァース用硬貨とは?(キャプション)

 

「スピュー」Spew

 『ハッカー/13の事件』所収(訳:柴田元幸)

 『WIRED5号』掲載(訳:柴田元幸)

 情報ハイウェイの張り巡らされた未来のネットワーク社会は果たしてユートピアか、それとも悪夢なのか? サイバースペースの監視人、プロファイル・オーディターとなった男が告白する、きたるべき電子ネットワーク社会の実像は!? ポスト・サイバーパンク世代の最高傑作として全米で話題騒然となった『スノウクラッシュ』の作家、ニール・スティーヴンソンの最新短編小説を一挙掲載(キャプション)


その他


「コミュニケーションと捕綴員」Communications Prosthetics : Threat, or Menace ?

 エッセイ

 『S‐Fマガジン551号』掲載(訳:日暮雅通)

 

「通信世界に打ち込まれた楔」

 エッセイ

 『WIRED 28号』掲載(訳:野村昭信/スチル:アレックス・テラーニ)