ダルコ・スーヴィン〈Darko
Suvin〉
『遥かな世界 果てしなき海』
OTHER WORLDS, OTHER SEAS〈早川書房 海外SFノヴェルズ〉
訳:深見 弾/カバー:野中 昇/発行:1979年5月15日
二人の行方不明者を出した魔の空域をパトロール中、ピルクスはてスクリーンに異様な光を認めた。宇宙塵ひとつないはずの空間に現われた物体は、異星の宇宙船か? ピルクスの執拗な追跡にやがて意外な事実が……! 「パトロール」(スタニスワフ・レム)他、大宇宙における知性体とのコンタクトを詩情豊かに描く「接触」(ウラディミル・コリン)奴隷がこの二倍は四だと唱えたことからアトランティスが沈んだとユーモラスに語る「アトランティスが沈んだわけは」(アントン・ドネフ)ダーウィンの理論から恐るべき兵器を発明した科学者の話「蟹が島を行く」(アナトーリイ・ドニュプロフ)など、ポーランド、ルーマニア、チェコスロヴァキア、ブルガリア、ソ連から九人の作家による珠玉の短篇集*東欧SFは、社会主義国家というまったく異なる体制下で独自の発展をとげ、現在までに、レム、アルカジイ&ポリス・ストルガツキー、エフレーモフなどの巨匠を生み出して来た。しかも、今や隆盛を誇る英米SFに質、量ともに匹敵する作品を次々に生み出している。本書は、東欧SFをユートピア主義のカテゴリーで捉え、英米SFとの相異点を明らかにするとともに、読者に現実世界に対する批判的洞察を土台とした価値転換と新たなヴィジョンを提示するものである。
収録作品
· 『序文』……ダルコ・スーヴィン
ポーランド
· 『パトロール』……スタニスワフ・レム
· 『エレクトロ・ドラゴンと戦ったコンピューターのお噺』……スタニスワフ・レム
· 『泰平ヨンの航星日記・第十三回の旅』……スタニスワフ・レム
· 『泰平ヨンの航星日記・第二十四回の旅』……スタニスワフ・レム
ルーマニア
· 『接触』……ウラディミル・コリン
チェコスロヴァキア
· 『吸血鬼株式会社』……ヨゼフ・ネズヴァードバ
ブルガリア
· 『アトランティスが沈んだわけは』……アントン・ドネフ
ソ連
· 『物質化された詩』……ゲンリヒ・アリトフ
· 『文明の発端』……ローメン・ヤーロフ
· 『超心理学講義』……イリヤ・ワルシャフスキー
· 『生体電流ばやり』……イリヤ・ワルシャフスキー
· 『知選器』…… イリヤ・ワルシャフスキー
· 『食わず屋』…… イリヤ・ワルシャフスキー
· 『SF論争 モスクワ・1965』……ニコライ・トーマン
· 『交通違反』……アナトーリイ・ドニェプロフ
· 『規格人間生産農場』……アナトーリイ・ドニェプロフ
·
『蟹が島を行く』……アナトーリイ・ドニェプロフ
その他
『ギブスンと“サイバーパンク”SF』Reflections on Gibson and
"Cyberpunk" SF
エッセイ
『S‐Fマガジン370号』掲載(訳:山田和子)
『サイエンス・フィクションの詩学』On the Poetics of the Science Fiction Genre in Science Fiction
エッセイ
『ユリイカ 1980年4月号』掲載(訳:高橋和久)
『SFの何が新しいか−SFと新事象−』
論文
『國文學 1981年8月号』所収(訳:森田 暁)
『P・K・ディックの作品群』P. K. Dick's Opus
エッセイ
『悪夢としてのP・K・ディック−人間、アンドロイド、機械』所収(訳:上岡伸雄)