カート・ヴォネガット・ジュニア〈Kurt Vonnegut, Jr.〉
『プレイヤー・ピアノ』PLAYER PIANO〈ハヤカワSF172〉
訳:浅倉久志/カバー:和田 誠/発行:1975年10月31日
すべての生産手段が完璧に自動化され、すべての人間の運命がパンチ・カードによって決定される世界――ピアニストの指を拒絶し、あくことなく自動演奏を続けるプレイヤー・ピアノの世界がグロテスクかつシリアスに描かれた時、『1984年』と『不思議の国のアリス』とのはざまの、奇怪な文学空間がそこに現出した。そして、この陰気なモダン・タイムスを見つめる作者のさめた、しかし優しさに満ちた限差し……。アメリカ文学の新たな担い手として、若い世代から熱狂的な支持を受けるヴォネガット・ジュニアが、現代文明の行方をブラックな笑いのうちにつづった傑作処女長篇。
『タイタンの妖女』THE SIRENS OF TITAN〈ハヤカワSF262〉
訳:浅倉久志/カバー:新井苑子(初版)、和田 誠/発行:1977年10月31日
時空を越えたすべての時と場所に存在するウインストン・N・ラムファードは、もはや神のごとき全能者となっていた。だが、無言の神と遠い、彼は戦いに明け暮れる人類の未来を救おうと実際に計画に手をくだしたのである。そして、その計画に操られた受難者こそ、全米一の大富蒙マラカイ・コンスタントであった。悲惨な運命に翻弄され、星から星へ流浪する彼の使命とはなにか? 最後の目的地タイタンがその謎を解明するはずであったが、それは人類にとりあまりにも皮肉な終幕となったのだ! 心優しきニヒリスト、注目の作家ヴォネガットが、ブラックな味わいで描いた傑作。
『スローターハウス5』SLAUGHTER HOUSE-FIVE〈ハヤカワSF302〉
訳:伊藤典夫/カバー:和田 誠/発行:1978年12月31日
時の流れの呪縛から解き放たれたビリー・ピルグリムは、自分の生涯を未来から過去へと遡る、奇妙な時間旅行者となっていた。大富豪の娘との幸福な結婚生活を送り……異星人に誘拐されてトラルファマドール星の動物園に収容され……やがては第二次大戦でドレスデン無差別爆撃をうけるビリー。時間の迷路の果てに彼が見たものは何か? 現代アメリカ文学の旗手が描く不条理世界の俯瞰図。
『猫のゆりかご』CAT'S CRADLE〈ハヤカワSF353〉
訳:伊藤典夫/カバー:和田 誠/発行:1979年7月31日
私の名はジョーナ。今プエルト・リコの沖のサン・ロレンゾ島にいる。“パパ”モンザーノの専制政治に支配されるこの島で、『世界が終末を迎えた日』の著者となるべき私は、禁断のボコノン教徒となったのだ。“目がまわる、目がまわる”世の中は複雑すぎる。愛するサン・ロレンゾ一の美女モナが、世界中のありとあらゆる水を氷に変えてしまう〈アイス・ナイン〉が、柔和な黒人教祖ボコノンが、カリプソを口ずさむ私のまわりをめぐりはじめる――独自のシニカルなユーモアに満ちた文章で定評のある著者が、奇妙な登場人物たちを操り不思議な世界の終末を描いたSF長篇。
『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』GOG BLESS YOU ,
MR.ROSEWATER〈ハヤカワSF464〉
訳:浅倉久志/カバー:和田 誠/発行:1982年2月28日
聞きたまえ! 億万長者にして浮浪者、財団総裁にしてユートピア夢想家、慈善事業家にしてアル中である、エリオット・ローズウォーター氏の愚かしくも美しい魂の声を、暖かくも苦い愛のメッセージを。金がすべてを支配する現代アメリカ社会にあって、隣人愛に憑かれた一人の大富豪がその限りない愛と、限りある金とを恵まれぬ人々のために分け与えようとしたとき、いったい何が起こったのか……? そしてまた彼が投げ入れた小さな小石は、彼を取りまく人々の間にどのようなさざ波をたてさせたのか……? 現代最高の寓話作家があなたに贈る、黒い笑いに満ちた感動の名作!
『スラップスティック』SLAPSTICK〈ハヤカワSF528〉
訳:浅倉久志/カバー:和田 誠/発行:1983年9月30日
ある日突然どういうわけか地球の重力が強くなり、そこへまた緑死病なる奇病まで現れ出でて世界は無秩序、大混乱! アメリカ合衆国もいまや群雄割拠の観を呈し、ミシガン国王やオクラホマ公爵が勝手邦題にいばり返っている始末。そしてジャングルと化したマンハッタンのエンパイア・ステート・ビルの廃墟では、史上最後にして最も長身の合衆国大統領が手記を書きつづっている――愚かしくもけなげな人間たちが演ずるドタバタ喜劇、スラップスティックの顛末を……。現代アメリカで最も人気の高いカート・ヴォネガットが、鮮やかに描き出す涙と笑いに満ちた傑作長篇。
訳:飛田茂雄/カバー:和田 誠/発行:1987年1月15日
第二次大戦中、ヒトラーの擁護者として対米宣伝に携わったハワード・W・キャンベル・ジュニア――はたして彼は本当に母国アメリカの裏切り者だったのか? 戦後15年を経て彼の脳裡に去来するものは、生真面目な父、アルコール依存症の母、そして元美人女優の妻ヘルガへの思いだった……卓抜なユーモアとシニカルなアイロニーに満ちたまなざしのもとに、時代にもてあそばれた男の内面を自伝スタイルで描いた感動の名作。
『チャンピオンたちの朝食』BREAKFAST OF CHANPIONS〈ハヤカワSF851〉
訳:浅倉久志/カバー:和田 誠/挿絵:カート・ヴォネガット・ジュニア/発行:1989年12月15日
次々と傑作を発表しながら、ポルノ小説と誤解され、全く芽のでないSF作家キルゴア・トラウト。三度の結婚にも失敗し、話し相手はオウムだけ――不遇の生活を送る彼のもとに、ある日、アート・フェスティバルの招待状がまいこんだ。開催地は中西部にあるミッドランド・シティ。その地でトラウトは、一人の人物と出会い、人生の一大転機をむかえることに……エンドウマメ、恐竜、トラック、国旗、商標など、著者の手になる大胆で自由奔放なイラストが多数ちりばめられ、絵と文章が一体となって不思議な魅力をもたらす、涙と笑いの傑作長篇。
『ガラパゴスの箱舟』GALAPAGOS〈ハヤカワSF1118〉
訳:浅倉久志/カバー:和田 誠/発行:1995年10月31日
1986年、世界的な経済恐慌と戦争と疫病に見舞われた人類は滅亡の危機に瀕していた。折りしもエクアドル崩壊の直前、ガラパゴス諸島遊覧の客船バイア・デ・ダーウィン号が何人かの男女を乗せて海へ漂い出ていた。船長、女教師、結婚詐欺師、盲目の娘、インディオの少女たち――ダーウィンの進化論で知られるガラパゴス諸島に漂着した彼らとその子孫たちが、百万年を経て遂げた新たな進化とは? 鬼才が描く旧人類への挽歌
訳:浅倉久志/カバー:和田 誠/発行:1997年9月30日
わたしはラボー・カラベキアン。亡き妻の大邸宅に孤独に暮らす老人だ。かつては抽象表現派の画壇で活躍したこともあったが、才能に限界を感じて今では抽象画のコレクターに甘んじている。そんなある日、若くエネルギッシュな女性が現われ、わたしの人生も大きく変わることになった。彼女は、私が誰一人入らせない納屋にいったいどんな秘密があるのか、興味を示しだしたのだ――人類に奇跡を願い、奇才が贈る感動長篇。
短篇集
『モンキー・ハウスへようこそ』WELCOME TO THE MONKEY HOUSE〈ハヤカワ・ノヴェルズ〉
訳:伊藤典夫・吉田誠一・浅倉久志・他/カバー:和田 誠/発行:1985年7月31日(5版)
恋愛小説から人情話、SF、さらにはエッセイ風の書評まで、ヴォネガットのあらゆる側面が、彼の長篇とはまたちがった親しみやすいかたちで満喫できる一冊。人口削減をめざす禁欲社会で、セックス解放を謳う“反逆者”を描く「モンキー・ハウスへようこそ」、人気絶頂のケネディ大統領在住時代のケープ・コッドが甦る「ハイアニス・ポート物語」、宇宙で事故死した米ソの宇宙飛行士の遺族が語り合う〈人間ミサイル〉、戦後の欧州でのGI部隊とみなし子の少年との出会いを描く「孤児」など25篇。(帯)
収録作品
訳:浅倉久志
訳:吉田誠一
訳:伊藤典夫
『ミステリマガジン164号』掲載(イラスト:真鍋 博)
訳:浅倉久志
『ミステリマガジン324号』掲載(イラスト:浅賀行雄)
素人劇団員の恋愛コメディ(キャプション)
訳:伊藤典夫
『ミステリマガジン168号』掲載(イラスト:真鍋 博)
訳:伊藤典夫
訳:吉田誠一
訳:宮脇孝雄
訳:伊藤典夫
『ミステリマガジン188号』掲載(『すべて王の馬』イラスト:池田 拓)
訳:宮脇孝雄
訳:宮脇孝雄
訳:伊藤典夫
『ミステリマガジン213号』掲載(イラスト:畑農照雄)
訳:吉田誠一
訳:伊藤典夫
『ミステリマガジン280号』掲載(イラスト:角田純男)
静かな保養地に起こったある珍事(キャプション)
訳:伊藤典夫
『ミステリマガジン216号』掲載(イラスト:山野辺進)
訳:浅倉久志
『ミュウタントの行進』にも所収(「バーンハウス効果」訳:中尾 明)
『人間を超えるもの』所収(「バーンハウス効果」訳:中尾 明)
『S‐Fマガジン28号』掲載(「バーンハウス効果」訳:中尾 明/イラスト:?)
ただひとりで世界を武装解除させたその男は、天才でも聖人でもなく、平凡な一地方大学教授にすぎなかった……(キャプション)
訳:宮脇孝雄
訳:吉田誠一
訳:吉田誠一
訳:森 愼一
『ミステリマガジン319号』掲載(イラスト:浅賀行雄)
切羽詰ったエリ坊や(キャプション)
訳:斎藤伯好
『S‐Fマガジン64号』掲載(「未製品」イラスト:?)
生命と個体とが一体でなければならないと考えるのは、ことによったら二十世紀的な狭い科学主義なのかもしれません(キャプション)
訳:吉田誠一
訳:宮脇孝雄
訳:吉田誠一
訳:宮脇孝雄
訳:浅倉久志
『S‐Fマガジン70号』掲載(「限りなき明日」イラスト:真鍋 博)
それは住宅難なんてものじゃなかった。未来が抱える最大の問題――過剰人口は人間から人間らしい息方さえ奪った(キャプション)
『S‐Fマガジン646号』再掲載(イラスト:YOUCHAN)
仲睦まじいルウ(百十二歳)とエム(九十三歳)の夫婦。そんな二人にも悩みがあって……(キャプション)
『モンキー・ハウスへようこそ@』WELCOME TO THE MOKEY HOUSE〈ハヤカワSF812〉
訳:伊藤典夫・吉田誠一・浅倉久志・他/カバー:和田 誠/発行:1989年3月31日
日に三回の道義避妊ピルの服用、そして街角には自殺ホーム――人口過剰の未来社会でとられた政策は、セックスの禁止と自殺の奨励だった。だが、性の解放を謳う反逆者が、一人また一人と現われる……表題作はじめ、役を演じるたびにその人物になりきってしまうアマチュア役者ハリーと、かれに恋する女性ヘリーンとの一風変わったラブ・ロマンス「こんどは誰に?」、十六人の生命を賭けて共産ゲリラの隊長とチェスをさすアメリカ人大佐の苦難を描く「王様の馬がみんな……」など、ヴォネガットの多彩な魅力を結集した傑作短篇集、待望の文庫化。
収録作品
訳:浅倉久志
訳:吉田誠一
訳:伊藤典夫
訳:浅倉久志
訳:伊藤典夫
訳:伊藤典夫
訳:吉田誠一
訳:宮脇孝雄
訳:伊藤典夫
訳:宮脇孝雄
訳:宮脇孝雄
訳:伊藤典夫
訳:吉田誠一
ノンフィクション
『ヴォネガット、大いに語る』WAMPETERS , FOMA , AND GRANFALLOONS〈サンリオ文庫A-2a〉
訳:飛田茂雄/カバー:和田 誠/発行:1984年3月30日
独特のユーモアと寓意あふれる作品群によって、現代アメリカ文学を代表するばかりか、核時代の文学として世界中の若い世代に大きな影響を与えているカート・ヴォネガットの第一エッセー集。かつて心ならずも、その作品をSFとして読まれ、SF作家に分類されたヴォネガットのSF論「サイエンス・フィクション」に始まり、自らの作品世界を彼一流のジョークとアイロニーを混えて縦横に語った「自己変革は可能か――プレイボーイ・インタビュー」に終る本書は、単に文学にとどまらない、科学、核兵器、政治、貧困、犯罪等々、世界が同時的に抱えている諸間題に対するヴォネガット流処方箋であり、笑い方の練習帳である。
『ヴォネガット、大いに語る』WAMPETERS , FOMA , AND GRANFALLOONS〈ハヤカワNF150〉
訳:飛田茂雄/カバー:和田 誠/発行:1988年12月15日
ほろ苦いユーモアと寓意に満ちた作品で、若者を中心に絶大な人気を誇るカート・ヴォネガット。彼はまた、魅力的な講演者、エッセイスト、書評家でもある。――かつて、心ならずもSF作家と分類された彼のSF論にはじまり、ビアフラ、宇宙開発、瞑想の流行など時どきの社会問題にするどく、そして軽妙に迫るエッセイ、自分自身と作品について縦横に語った〈プレイボーイ・インタビュー〉など多彩な内容をおさめた本書は、心優しいヴォネガットの人間性と願いを浮き彫りにしている。彼みずから“約20年のあいだに私が考えた事柄の地図のようなもの”と呼ぶ、ファン必読の書!
『パームサンデー−自伝的コラージュ−』PALM SUNDAY〈ハヤカワNF151〉
訳:飛田茂雄/カバー:和田 誠/発行:1989年1月15日
“現代のマーク・トウェイン”ともいうべきヴォネガットの第二エッセイ集。前作、『ヴォネガット、大いに語る』以降のスピーチ草稿、手紙、短編、書評などをならべながら、全体に自伝的な息吹をあたえるために“つなぎのおしゃべり”が書き加えられた。――ヴォネガット家のルーツ、自分の質問に自分で答える“自己インタビュー”をはじめ、子供たち、友人たち(ジョーゼフ・ヘラー、アーウィン・ショー…)、敬愛する作家たちをめぐる文章、また、宗教、核問題、わいせつ性をめぐる話が次々に展開される。独特の語り口で、自らの小品を自ら編んだ興味つきないコラージュ!
『死よりも悪い運命』FATES WORSE THAN DEATH〈早川書房〉
訳:浅倉久志/カバー:阿部真理子/発行:1993年9月30日
アメリカ文学界の鬼才が、ヘミングウェイら作家たち、難民問題、銃砲所持、家族の絆などについてユーモラスかつ真摯に語りながら、未来を希求するエッセイ集(帯)
短篇
「ザ・ビッグ・スペース・ファック」The Big Space Fuck
『S‐Fマガジン192号』掲載(訳:伊藤典夫/イラスト:霜月象一)
『世界ユーモアSF傑作選2』所収(訳:伊藤典夫)
「魔法のランプ」 Hal Irwin's Magic Lamp
『ミステリマガジン434号』掲載(訳:伊藤典夫/イラスト:桶本康文)
大恐慌の年に夫婦が夢見た物とは?(キャプション)
「2BRO2B」2BRO2B
『奇想天外1号』掲載(訳:伊藤典夫/イラスト:安田三恵)
「死の空間」Thanasphere
『奇想天外6号』掲載(訳:伊藤典夫/イラスト:壇 一発)
「不屈の精神」Fortitude
『妖魔の宴 フランケンシュタイン編@』所収(訳:南條竹則)
『フランケンシュタインの子供』所収(訳:池澤夏樹)