『マーシャン・インカ』THE MARTIAN INCA〈サンリオSF文庫71−A〉
訳:寺地五一/カバー:ナカムラテルオ/発行:1983年9月30日
アンデスの小村アプスキーにソビエトの火星探査機が墜落した。火星から採取した土が付近にばらまかれ、村人たちは次々に倒れていった。火星の土に潜んでいたウイルスによる疫病なのか? 軍隊は伝染をおそれて死体をすべて焼却してしまうが、インディオの青年ジュリオとその恋人アンジェリーナは、偶然難を逃れ、ジグソーパズルのような長い夢のあとで再び目覚める。
一方、太陽の輻射熱を利用して火星の氷河を融かし、居住可能な惑星にするという遠大な火星改造計画の先駆けとして、3人の宇宙飛行士を乗せたアメリカの宇宙船が火星に向かっていた。火星には一切の生命体が存在しないはずだった……。
言語学や文化人類学、社会学、物理学などの知識を縦横に駆使して、インディオの神話的世界と現代科学を融合し、壮大な〈意識変革〉のヴィジョンを描いた、現代SFの最前衛イアン・ワトスンの待望の本邦初紹介。
『ヨナ・キット』THE JONAH KIT〈サンリオSF文庫71−B〉
訳:飯田隆昭/カバー:加藤直之/発行:1986年6月15日
サハリン(樺太)のオーゼルスキーにあるソ連の研究所で、密かに人間の意識を他の生体に刷り込む実験が行われていた。海底資源を守るばかりではなく、海底の軍事的覇権を握るために、クジラを利用するのが研究の狙いだった。すでに第一段階として、宇宙飛行士ニーリンの脳を生まれたばかりの赤ん坊に刷り込むことに成功していた。ところが、六歳になったニーリン坊やが突如介護人ともども漁船で逃亡を計った。北海道沖で無事収容されたニーリン坊やは、介護人を通して、アメリカへの亡命を要請する。一方、メキシコのアンデスにある天体観測所では、ノーベル賞を受賞したこともある著名な天文学者ポール・ハモンドが、全宇宙の創造に関わるショッキングな学説を発表しようとしていた……。
『デクストロU接触』UNDER HEAVEN BRIDGE〈創元SF文庫695−01〉
共著:マイクル・ビショップ
訳:増田まもる/カバー:加藤直之/発行:1988年10月14日
超光速船ヘヴンブリッジの調査隊一行がジェミニ星系デクストロ第2惑星で遭遇した種族は、カイバーと名付けられた。全身を金色の甲殻で覆われた、機械のごときカイバーは、言語学者・高橋恵子からレクチャーを受け、人類の知識体系を恐るべきスピードで吸収してゆく。だが彼らは、自らの文化については何一つ語らない。さらには、ある日突然、休眠状態に入ってしまったのだ。一方、恒星デクストロは刻一刻とノヴァ化にむかっていた。デクストロがノヴァとなる時、カイバーたちには何かが起こるはずだ……。現代英米SF界の最前線に立つ二作家が放つ、めくるめく世界律のヴィジョン。
『オルガスマシン』ORGAMACHINE〈コアマガジン〉
訳:大島 豊/イラスト:荒木元太郎(造形)/発行:2001年7月10日
オトコの欲望を満足させるためだけに作られた“カスタムメイド・ガール”の数奇な運命と出会い。内容の過激さゆえに英語圏では現在でも発売未定。イギリス本国/全世界に先駆けて待望の日本語オリジナル版登場(帯)
『エンベディング』THE ENBEDDING『国書刊行会 未来の文学』
編訳:山形浩生/カバー:?/発行:2004年10月25日
埋め込み[エンベディング]構造を応用しての人工普遍言語の研究をしている言語学者クリス・ソールは、地球人の言語構造を求めて突如やってきた異星人とのコンタクトという指名に臨む。一方、ソールの旧友ピエールはアマゾンの奥地でドラッグによるトランス状態で生まれる未知の言語を持つ部族とともに新しい〈世界〉を体験していた――多重な語りと視点で同時進行する複数の物語がやがて迎える目眩くクライマックス……ウォーフ=サビア〜チョムスキーの言語学やレーモン・ルーセルの奇書「アフリカの印象」等を用いた溢れ出るアイデアと野心的なヴィジョンを駆使して、言語と世界認識の変革を描き、イギリスSF界を騒然とさせたイアン・ワトスンの“熱い”デビュー作。
黒き流れ三部作〈THE BLACK CURRENT〉
『川の書』THE BOOK OF THE RIVER〈創元SF文庫695−02〉
訳:細美遥子/カバー:吉永和哉/発行:1994年3月25日
一本の巨大な〈川〉。それは遥か南の断崖に源を発し、世界を東西に分断して北の海へと注ぐ。〈川〉に出られるのは女たちだけ。男は二度〈川〉ヘ出ると死んでしまう。そして〈川〉の中央部には“黒き流れ”と呼ばれる謎の存在が横たわり、対岸に渡ろうとする者を阻んでいた。そのため誰も対岸の世界のことを知らない。東側の町で育った少女は、17歳になって憧れの川ギルドに加入し、〈川〉へと漕ぎ出すが……。西岸には誰が住んでいるのか?“黒き流れ”とはいったい何なのか? そしてそもそも、この世界はいったいどこなのか……?現代SFの鬼才が贈る、入魂の三部作の開幕!
『星の書』THE BOOK OF THE STARS〈創元SF文庫695−03〉
訳:細美遥子/カバー:吉永和哉/発行:1994年7月1日
西岸世界から〈川〉を渡って攻めこんできた軍勢との戦争も、ようやく終わろうとしていた。奇しくもこの戦いの中心人物となった川ギルドの少女ヤリーンは、自らの体験を〈川の書〉として記しはじめた。だが運命は、まだ彼女を解放してくれない。西岸の宿敵エドリック博士に執拗にあとを追われ、さらには〈黒き流れ〉に命じられるまま、超存在ゴッドマインドの待つ、真の戦いの舞台へと……。全宇宙を賭けた戦いの全貌とは? 英国の鬼才が、二転三転する驚異の展開で贈る、ユニークにして新しき神話的世界!
『存在の書』THE BOOK OF THE BEING〈創元SF文庫695−04〉
訳:細美遥子/カバー:吉永和哉/発行:1994年11月25日
あと二年で、この宇宙は終わりを告げる。全能の超存在ゴッドマインドに焼き尽くされてしまうのだ。新たな生をうけたヤリーンだけが、そのことを知っていた。だが彼女は、ギルドの厳重な監視のもと、黒き流れの神殿の巫子として〈星の書〉を執筆しながら毎日を送るばかり。超存在の計画を阻止できる者がいるとすれば彼女だけだというのに……だが、どうやって? 時空を駆けめぐる少女の最後の戦い。全宇宙をゆるがす驚異の結末。ワトスンを代表する三部作、堂々の完結!
短篇集
『スロー・バード』SLOW BIRDS And
Other Stories〈ハヤカワSF867〉
訳:佐藤高子・他/イラスト:横山えいじ/発行:1990年4月30日
垂直につづく岩壁世界の住人の暮らしぶりは? 地球上のあらゆる距離が増大してしまったら? 21世紀の銀座の社交クラブを舞台にした悲しきラブロマンスはいかがでしょう? 夢の中にお菓子のCMが出てきたら、どうしますか? 誕生日に両親から“世界”をプレゼントされた女の子のお話は? 空中から出現しては消える〈バード〉が跳梁する世界でスケート大会を観戦しませんか? もちろん、とびきり不思議な時間旅行もおまかせください! 英国SF界に燦然と輝く鬼才ワトスンが、あなたを驚愕の旅にご案内する日本版オリジナル傑作集登場!
収録作品
訳:大森 望
訳:大森 望
『S‐Fマガジン392号』掲載(イラスト:駒田寿郎)
銀座の夜にひとり泣く、せつない恋の物語――奇才が描くサイバーラヴストーリイ(キャプション)
訳:美濃 透
『S‐Fマガジン261号』掲載(イラスト:佐治嘉隆)
彼にとって魂とは? 本誌初登場の新鋭ワトスンが描く不思議な世界(キャプション)
訳:美濃 透
『S‐Fマガジン356号』掲載(イラスト:岩淵慶造)
上下左右、どちらを見ても果てしない崖が続く世界。そこに新たな変化が……(キャプション)
訳:中原尚哉
『S‐Fマガジン363号』掲載(イラスト:畑農照雄)
遥かなるヨーロッパをめざし、スイマーたちはただひたすら泳ぐ泳ぐ(キャプション)
訳:山田和子
『アンティシペイション』にも所収
訳:大森 望
『S‐Fマガジン358号』掲載(イラスト:佐治嘉隆)
災厄が人類を襲う。少年は世界を救えるか? さあ、知識のミルクを吐き出せ!(キャプション)
訳:佐藤高子
『タイム・トラベラー』にも所収
訳:黒丸 尚
『S‐Fマガジン358号』掲載(イラスト:畑農照雄)
絶対零度より低い温度?……奇想の錬金術師ワトスンがひきおこす奇怪な分子運動!?(キャプション)
訳:小野田和子
『20世紀SF5』にも所収
『S‐Fマガジン358号』掲載(イラスト:岩淵慶造)
世界が広がっている!? とんでもない異変は、ある日なにげなくはじまった(キャプション)
訳:内田昌之
『S‐Fマガジン358号』掲載(イラスト:吾妻ひでお)
夢の中で突如、へんな食べ物のコマーシャルがはじまった。これはいったい……(キャプション)
訳:黒丸 尚
訳:大森 望
訳:内田昌之
訳:佐藤高子
『S‐Fマガジン311号』掲載(イラスト:岩淵慶造)
スケートに興じる平和な世界は、スロー・バードに確実に侵されていく……(キャプション)
『アミールの時計』The Emir's Clock
『アザー・エデン』所収(訳:大森 望)
『S‐Fマガジン370号』掲載(訳:大森 望/イラスト:畑農照雄)
イギリスのとある教会に鎮座する時計――それに秘められたメッセージとは?(キャプション)
『大商い』The Big Buy
『S‐Fマガジン380号』掲載(訳:大森 望/イラスト:横山えいじ)
とつじょやってきた異星人がいうことにゃ「なんぞおもろいもんおまへんか?」(キャプション)
『サマーファイア旅団と、白亜紀で』In the Upper Cretaceous With the Summerfire
Brigade
『S‐Fマガジン444号』掲載(訳:大森 望/イラスト:中村 亮)
ロンドン――バーミンガムを結ぶ白亜紀列車。普通の日帰り旅行のはずだったが……(キャプション)
『夕方、はやく』Early, In the Evening
『S‐Fマガジン508号』掲載(訳:大森 望/イラスト:杉本一文)
奇妙な反復にとらわれた世界で、人々はただ生きつづける――傑作奇想SF(キャプション)
『ライフ・イン・ザ・グルーヴ』Life in the Groove
『S‐Fマガジン583号』掲載(訳:中原尚哉/イラスト:横山えいじ)
世界は天界の音楽に支配されている。そして、朕こそが世界の支配者だ(キャプション)
『乳のごとききみの血潮』Thy Blood Like Milk
『死のドライブ』所収(訳:野村芳夫)