ロバート・チャールズ・ウィルスン〈Robert Charles Wilson〉
『世界の秘密の扉』GYPSIES〈創元SF文庫706‐01〉
訳:公手成幸/カバー:松林富久治/発行:1995年7月21日
この世界には、実はあちこちに目に見えない扉があって、そこをくぐりさえすれば、今のこの世界とは少しだけ違う別の世界へ行くことができる。それがカレンたち三人姉弟に備わった不思議な力。しかしカレンは今日までずっと、その力を否定して暮らしてきた。だが今日、最愛の一人息子の前に、別世界からの不気味なしもべ――“灰色の男”姿を現わしたのだ。この子にも、やはり同じ力が宿っているのか? カレンたちの、秘密の扉をくぐる旅がはじまった。それは自らの青春時代へ、子供時代へと遡る、終わりなき探索の旅のはじまりでもあった……。詩情あふれるSFファンタジイ!
『時に架ける橋』A BRIDGE OF YEARS〈創元SF文庫706‐02〉
訳:伊達 奎/カバー:久保周史/発行:2000年2月25日
妻と別れ、仕事も失い、一度は捨てた故郷の田舎町に戻ってきたトム。彼は町外れの家を購入し、一人暮しを始める。だがそれは実に不思議な屋敷だった。長年買い手がつかなかったというのに、内装はぴかぴかで埃ひとつない。しかも、なんと彼が眠っているあいだに洗い物が片づいている。さらに彼の夢には奇妙な虫たちが現れ……謎を解明しようとするうち、彼は家の地下に隠された秘密のトンネルを発見する。そこを抜けて出た先は、60年代のニューヨークだった! この屋敷こそは未来世界の監視員が駐留する前哨地だったのだ。心に染み入る時間旅行SF。
『時間封鎖(上)』SPIN〈創元SF文庫706‐03〉
訳:茂木 健/カバー:L.O.S. 164/発行:2008年10月31日
それが起こったとき、ぼくたち3人はまだ十代はじめだった。その夜、ぼくらは見たのだ――地球の上空から星々が消えるのを。さらに、月も。翌日、太陽だけが昇ってきたが、それは贋物の太陽だった……。地球周回軌道上にあったロシアの宇宙船が強引に再突入して帰還した。飛行士は証言した。地球が一瞬にして暗黒に包まれ、彼らは1週間すごしたのだ、と。だが彼らが落ちてきたのは、異常事態発生の直後だったのだ――。漆黒の界面の外では1億倍のスピードで時間が流れていた。地球は何者かの手によって時間的に封鎖されてしまったのだ! ヒューゴー質受賞の栄誉に輝く傑作本格SF。
『時間封鎖(下)』SPIN〈創元SF文庫706‐04〉
訳:茂木 健/カバー:L.O.S. 164/発行:2008年10月31日
漆黒の界面が地球を包んだ現象は、「十月事件」あるいは「スピン」と呼ばれるようになった。また、この物体を作り出した存在を、人類は仮定体(仮定上での知性体)と名づけた。だがその正体は、まさに仮定上のものにすぎない。確かなことはひとつだけ――このままでは1億倍の速度で流れる外側で、太陽は巨星化し、数十年のうちに地球は肥大化する太陽面に飲み込まれてしまう。人類は途方もない策を講じた。漆黒の界面を突破してロケットを打ち上げ、人間を火星へ送り込む。そこを1億倍の速度でテラフォーミングし、地球を救うための新たな文明を育てるのだ。計画の行く末は。迫りくる地球最後の日を回避できるのか?
短篇
「技術の結晶」State of the Art
『S‐Fマガジン384号』掲載(訳:金子 浩/イラスト:加藤洋之&後藤啓介)
街のショップで見かけた義眼の美しさに魅せられ、男の心はしだいに……(キャプション)
「少女と熱帯魚」The Blue Gularis
『S‐Fマガジン402号』掲載(訳:金子 浩/イラスト:吾妻ひでお)
いやだけど、ピアノのレッスンを受けなくちゃ、熱帯魚を買ってもらえないの!(キャプション)
「エキストラ」Extras
『S‐Fマガジン424号』掲載(訳:嶋田洋一/イラスト:栗原裕孝)
町に映画の撮影隊がやってきた1983年の夏――ぼくの中でなにかが変わった(キャプション)
「四分の三拍子のバラード」Ballads in 3/4 Time
『S‐Fマガジン431号』掲載(訳:金子 浩/イラスト:成田一徹)
決して人間にはなれない偽人間たちの悲しみを歌いあげる苦い味のバラード(キャプション)